政府によるキャッシュレス決済による一部還元が盛り上がる中、「お店側からカード決済手数料を支払うように言われた」という方もいるのではないでしょうか。
店「カード決済には手数料5%いただいてます」
私「え、クレカ決済で手数料請求って違法ですよね?」
店「お店のHPに手数料をいただくとの旨を記載しているので大丈夫です。」
私「その制度知らなかった!念の為カード会社に確認してみますね」
店「…こちらも忙しいので、今回はサービスしときます」— (イヌヌ)ワンちゃん (@wanwanbot_) December 21, 2019
マジか…
私数年前に美容室で一度500円カード手数料取られたことあるよ…
その美容室はその時しか行ってないけど、違反だったんだな。>RT— 燐(りん)@J事務所のぷりけつ担 (@rin_1632) September 23, 2018
いつもの癖でスカイスキャナ→エアトリにした結果、手数料1000円×人数分とクレカ手数料1300円取られたけど公式で取っていれば手数料なしで同じ航空券取れていたという。それを知ったのが振り込んだ直後(キャンセル変更不可)っていうのがまたショックすぎて立ち直れない。
— Natsume (@you_rasia) September 10, 2019
多くの方はクレジットカード手数料をとるのが規約違反だと知らずに支払っていたのではないでしょうか。
クレジットカードの手数料を支払いに上乗せされた場合、違法ではないのか?どの辺が規約に違反しているのか?のついて解説していきます。
また、カード決済手数料を請求された場合の対処法について解説していきます。
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カードの決済手数料の負担を求めるのは利用規約違反になる
Twitter上ではクレジットカードの手数料を取るのは「違法」だという声もありますが、違法ではなくカード会社の利用規約違反にあたります。
各カード会社の利用規約を調べると現金支払いの客とカード払いの客で金額が異なってはいけないとしています。
第11条 (加盟店の義務、差別的取扱いの禁止等)
1.加盟店は、割賦販売法、特定商取引に関する法律、消費者契約法、犯罪収益移転防止法等の関連諸法令を遵守して、信用販売を行うものとします。2.加盟店は、有効なカードを提示した会員または有効なギフトカードの使用者に対し、信用販売またはギフトカードの取扱いを拒絶したり、直接現金払いや他社の発行するクレジットカードまたはギフトカードの利用を要求したり、現金客と異なる代金を請求したり、信用販売またはギフトカードの取扱いの金額に本規約に定める以外の制限を設ける等、会員またはギフトカードの使用者に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。
ー引用:JCB加盟店規約
三井住友カード、楽天カードの加盟店規約にも同様に、「カード払いする客が不利になってはいけない」と規約に書かれています。
9.加盟店は、有効なカードを提示した会員に対して、商品の販売代金ならびにサービス提供代金について手数料等を上乗せする等現金客と異なる代金の請求をすること、およびカードの円滑な使用を妨げる何らの制限をも加えないものとします。
また正当な理由なくして信用販売を拒絶し、代金の全額または一部(税金、送料等を含む)に対して直接現金支払いを要求する等、会員に対して差別的取扱いは行わないものとします。
ー引用: 三井住友カード加盟店規約
3.加盟店は、有効なカードを提示した会員に対し信用販売等の取扱いを拒絶したり、また、
現金払いを要求したり、会員に対し現金客と異なる代金を請求する等会員の利益の保護に
欠ける取扱いを行わないものとします。ー引用:楽天カード加盟店規約
つまり、カード払いをするからといって手数料を上乗せすることは規約違反にあたります。
美容院は結構違反してそうな感じですね…。
法律的には違法ではない
カード決済手数料を取るのは各カード会社の利用規約違反にはなりますが、厳密にいえば法律違反にはなりません。
クレジットカードを取り締まっている法律は「割賦販売法」ですが、割賦販売法は主にカード会社と消費者との取引きに関する法律です。
そのため、手数料を禁止する項目があっても法律で規制したり、訴えたりすることはできません。
クレジットカード支払いに文句を言うことも厳密には規約違反
先ほどの各クレジットカード会社の利用規約を見てもらえれば分かる通り、「正当な理由がなく信用販売を拒否する行為」「カード会員に対して差別的行為を行うこと」も加盟店規約違反です。
そのためカード払いしたいと言ったら、面と向かって文句を言われたり、現金払いを強要する発言もNGです。
もしこういった発言をされて腹が立ったら「カード会社に連絡する」と言えばOK。
あまりにもひどければ、後日カード会社から指導が入ります。
カード手数料の支払いをお店に求められたときの対処法
カード手数料の支払いを求めるお店は減ってきているものの、まだ0ではありません。
美容院や個人経営の飲食店などは余計な手数料をかけたくないがために、手数料を求めてくる場合もあるでしょう。
不当な手数料の支払いを求められたときの対処法についてご紹介します。
手数料の支払いは拒否してOK
現金払いとカード払いで支払う金額に差をつけることは、カード会社の加盟店規約違反になります。
そのため、例えカード手数料の支払いを求められても拒否してOK。
「加盟店規約ですよね?カード会社に電話して確認してもいいですか?」と言えば、ほとんどのお店は支払わなくていいと言うはずです。
手数料を支払ってしまったらカード会社に連絡
カード決済の手数料料の支払いを求めて支払ってしまった場合は、すぐクレジットカード会社に連絡しましょう。
カード決済手数料の支払いを求めるのは立派な加盟店規約違反になります。利用規約に違反した加盟店はカード会社からの指導が入るでしょう。
もし指導が入っても加盟店側が改善しようとしないなら、加盟店からの除外などのペナルティが課せられます。
返金対応はされないと思っておこう
お店にカード決済手数料をとられると「余計なお金を支払ってしまった…!」と腹立たしいですよね。
不正に取られた金額は返金してもらいたい気持ちでしょうが、残念ながら返金は期待されないと思っておきましょう。
以前はカード会社に相談すれば、返金してもらえる事例もありましたが、悪意のある利用者が不正に返金制度を利用したためです。
カード会社からすれば、本当に決済手数料を請求されたのか、不正に返金制度を利用しているのか判断がつかないため、一律で返金を実施しないようになっています。
ただしあまりに高額な決済手数料を取られた場合は、報告の余地はあるので決済時のレシートやカード利用明細の控えを取っておきましょう。
基本的には、手数料を支払う前にカード会社に連絡しましょう。
クレジットカード手数料は本来加盟店が支払うべき仕組み
そもそもクレジットカードに手数料がなぜかかるのか?クレジットカードの仕組みについてもう一度みてみましょう。
クレジットカードを使うメリットを消費者側・加盟店側・クレジットカード会社に分けてみてみましょう。
〇利用者のメリット
私たち利用者はクレジットカードを利用すると以下のようなメリットがあります。
- 現金を持っていなくても買い物ができる
- 高額な現金を持ち歩かずに済むので安全
- 支払いを後払いにできる
- カード払いでポイントが還元される
私たちはカード会社と信用を元に契約を結ぶことで、後払いが可能になっています。利用した金額はその場ではカード会社が立て変えてくれ、後日利用者はカード会社に利用金額を支払います。
〇加盟店側のメリット
加盟店側はカード決済手数料をカード会社に支払わなければいけませんが、その分客単価があがるメリットがあります。
- 高額な商品が売れる
- つり銭を用意する時間が短縮される
- 所持金がない人にも商品が売れる
- 強盗のリスクが減る
海外で多額の現金をお店に保管しておくと強盗や盗難のリスクが大きいので、ほとんどのお店でカード決済が可能になっています。
〇クレジットカード会社側のメリット
クレジットカード会社は加盟店からもらう決済手数料と、カード利用者からもらうリボ払いや分割払いの手数料で利益を得ています。
その利益を利用者にポイントとして還元する仕組みになっています。
クレジットカードの仕組みが分かったでしょうか?仕組みをみれば、カード決済手数料は加盟店が支払う義務があるのが分かりますね。
クレジットカード決済手数料は客が支払う必要なし!
クレジットカードの決済手数料は加盟店側が支払う仕組みになっているので、あなたが支払う必要はありません。
法律違反にはなりませんが、立派なカード会社の加盟店規約になります。
もしお店でカード決済手数料を上乗せされたら、堂々と断ってしまってOKです。
お店の勢いに負けて支払ってしまうと返金は難しくなってしまいます。
余計な手数料がかかっていておかしい?と感じたらすぐにカード会社に連絡しましょう。