American Express(以下:アメックス)は旅行とエンターテイメントに特化したT&Eクレジットカード会社として有名であり、ダイナースクラブと対を張るステータスカードとして有名なカードブランドです。
アメックスにはアメックス自体が直接発行する「プロパーカード」と、航空会社やホテルグループとの「提携カード」があります。
アメックスが発行するカードの中で陸マイラー、ホテルマニアに特に人気のあるカードが「SPGアメックスカード」です。
SPGアメックスと同じくらい人気のカードで、アメックスに申込、直接発行ができる最も年会費が高いカードが「アメックスプラチナカード」です。
今現在 アメックスのカード内の人気は、アメックスプラチナよりもSPGアメックスが圧倒的に高いイメージにありますが、「どちらに申し込もうか迷っている…」という方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、SPGアメックスとアメックスプラチナを持っている筆者が、どちらがどのようなタイプに向いているかを紹介していきます。
※本ページにはPRが含まれます。
SPGアメックスとアメックスプラチナの共通特典
SPGアメックスとアメックスプラチナの共通している特典が、「Marriott Bonvoy」の上級会員であるゴールド会員になれるという特典です。
Marriott Bonvoyとは?
「Marriott Bonvoy」とは、世界約122の国と地域に6,000軒以上のホテルやリゾートを展開するホテルグループです。
日本国内に存在するMarriottグループのホテル数は60軒あり、代表的なホテルはリッツ・カールトン、マリオット、シェラトンなどのホテルです。
高級ホテルのとして名の知れたホテルですね。
マリオットゴールド会員とは?
マリオットゴールド会員、正式名称は「ゴールドエリート」です。
「ゴールドエリート」は、通常であればMarriottグループのホテルに年間25泊をしなければ得ることができない会員資格です。
特典例としては
- チェックイン時の空き状況によって部屋のアップグレード
- レイトチェックアウト
- ポイント還元率アップ
- 特典参加レストラン&バーでの利用が15%オフ
などがあります。
Marriottグループの概要と、ゴールド会員について大体分かっていただけたでしょうか?
2つのカードの共通点が分かったところで、次からはSPGアメックスとアメックスプラチナの概略をみていきましょう。
今回は両者の比較のため、ホテル特典、マイル、ポイント還元率に特化して紹介していきます。
SPGアメックスの特徴
スターウッド・プリファード・ゲスト・アメリカン・エキスプレス(SPGアメックス)
カード年会費 | 31,000円+税 |
---|---|
ETC年会費 | 無料 |
ETC発行手数料 | 850円+税 |
還元率 | 1.0% |
電子マネー |
- マリオットのゴールド会員資格を取得
- 毎年カード更新で無料宿泊券プレゼント
- マイル還元率1.25%
SPGアメックスの正式名は「スターウッド プリファード ゲスト アメリカン・エキスプレス・カード」です。
長いですね…。クレジットカードが好きな私もたまに忘れてしまいます。
SPGアメックスは、先にも出ましたMarriott Bonvoyと提携しているクレジットカードで、Marriottグループのホテルでの特典が非常に豊富なカードになります。
では、年会費や特典などを見てみましょう。
年会費 | 31,000円(税込) |
---|---|
ポイント還元率 | 100円で3ポイント(Marriott Bonvoyポイント) |
旅行保険 | 海外旅行保険:最大1億円(利用付帯)
国内旅行保険:最大5,000万(利用付帯) |
旅行関連特典 | 空港ラウンジを同伴者1名含めて利用可能
海外旅行から帰国の際に手荷物を1個無料宅配 オーバーシーズアシスト(旅行先でのサポート) |
これらの特典がカードとしての基本的な特典になります。
では次にMariott Bonvoyでの特典をみていきましょう。
SPGアメックスのMariott Bonvoyでの特典
SPGアメックスのMariott Bonvoyでの特典は以下の3つです。
- カード会員継続特典として1泊分の無料宿泊
- カード会員継続特典として5泊分の宿泊実績をつける
- Marriott Bonvoyのレストラン+バー特典参加ホテル内のレストランおよびバーの飲食代金が15%オフ
カード会員継続特典として1泊分の無料宿泊
大人2名まででカード会員を継続した場合に、1泊分のポイントとして50,000ポイントが付与されます。
SPGアメックスの年会費は34,100円かかりますが、結局はこの無料宿泊の特典が年会費と相殺されるので持ち続けるという人が多いです。
カード会員継続特典として5泊分の宿泊実績をつける
Mariott Bonvoyの会員はゴールドエリートだけでなく、その上のプラチナエリートがあります。
通常その資格を得るためには年間50泊以上の宿泊が必要になります。
しかしSPGアメックスは、プラチナエリートまでのランクアップを楽にするために5泊分の宿泊実績を毎年与えられます。
以上が、SPGアメックスを持つことで得られるMariott Bonvoyの特典になります。
ここでMariott Bonvoyポイントに再度注目をしてみましょう。
Mariott Bonvoyポイントは、Marriottグループのホテルを利用する際にポイントを利用すれば宿泊も可能ですが、約40の航空会社へのマイル移行も可能となっています。
その移行先にはANAとJALも含まれています。両者が同一ポイントからマイルへ移行できるのは中々ありません。
ANAとJALの場合、基本移行率はMariott Bonvoyポイント:マイル=3:1になります。
100円のカード利用で1マイルが得られますが、Mariott Bonvoyポイントを60,000ポイント分を変えた場合、ボーナスポイントがついて還元率は1.25%に上がります。
これらの特徴が旅行マニアには堪らないものとなっております。
アメックスプラチナの特徴
アメリカン・エキスプレス・プラチナカード
カード年会費 | 130,000円+税 |
---|---|
ETC年会費 | 無料 |
家族カード年会費 | 4枚まで無料 |
還元率 | 100円=3ポイント |
- 抜群のステータス性
- プラチナコンシェルジュデスクが利用できる
- プライオリティパス無料!同伴者1名無料
アメックスプラチナはアメックスから直接発行されるプロパーカードです。
申込ができるカードの中では最も年会費が高く、サービスが充実しているのが特徴です。
年会費とホテルや旅行関連に特化した特典を見てみましょう。
年会費 | 143,000円(税込) |
---|---|
ポイント還元率 | 100円で1ポイント
※基本ポイント還元は100円で1ポイント ※メンバーシップ・リワード・プラスに加入をすれば海外利用分、対象加盟店での利用が100円で3ポイント(アメックスグリーンとゴールドの場合、年間3,300円の支払いが必要。プラチナの場合は無料で加入) |
旅行保険 | 海外旅行保険:最大1億円
国内旅行保険:最大1億円 |
旅行関連特典 | 空港ラウンジを同伴者1名含めて利用可能
プライオリティパス付帯 海外旅行の際に往復で手荷物を2個無料宅配 プラチナカードアシスト(旅行先でのサポート) |
その他、提携レストランのコースを2名で利用すれば1名分がタダになる「グルメ特典」や「コンシェルジュサービス」などがあります。
アメックスプラチナのホテル特典
アメックスプラチナに付帯するホテル特典は以下の3つです。
- ホテルグループ上級会員
- FHR(ファイン・ホテル・アンド・リゾート)
- フリーステイギフト
ホテルグループ上級会員
アメックスプラチナを持つことで、4つのホテルグループの上級会員になります。
- Mariott Bonvoy
- ヒルトン
- シャングリ・ラ・ゴールデンサークル
- Radisson Rewards
Mariott BonvoyはSPGと同じゴールドエリートです。
FHR(ファイン・ホテル・アンド・リゾート)
「FHR(ファイン・ホテル・アンド・リゾート)」とは、世界1,100ヶ所以上のホテルやリゾート施設が参加する、カード会員様のための特別なプログラムです。
参加ホテルでの宿泊を予約をすると、優待料金で宿泊出来るほか、合計で平均550米ドル相当分の無料追加特典が利用出来ます。
- 空室状況によって12:00よりチェックイン
- 空室状況によって部屋のアップグレード
- 2名分の朝食無料
- 16:00までのレイトチェックアウト
- 客室内のWi-Fi無料
- 100$分のオリジナル特典
このFHRに参加しているホテル(東京の場合)は以下になります。(2名1泊、8月中旬で検索した場合に出てきたホテルになります。)
- グランドハイアット東京
- コンラッド東京
- オークラ東京
- ザ・プリンスギャラリー東京紀尾井町
- アンダーズ東京 虎ノ門ヒルズ
などなど。実際は14のホテルが出てきました。
フリーステイギフト
毎年アメックスプラチナ・カードを更新すると、1年に1度、国内の対象ホテルにて2名で利用出来る無料宿泊券を継続特典としてもらえます。
SPGアメックスとアメックスプラチナの比較表
SPGアメックスとアメックスプラチナの比較…長くなって嫌になりますよね?
そこで、私がアメックスプラチナとSPGアメックスの特徴を簡単に表にまとめてみました。
アメックスプラチナ | SPGアメックス | |
---|---|---|
年会費 | 143,000円(税込) | 34,100円(税込) |
入会特典(2020年7月現在) | 入会3ヵ月で合計150万利用で最大40,000ポイント | 入会3ヵ月以上10万円利用で30,000ポイント(Mariott Bonvoyポイント) |
継続特典 | フリーステイギフト
提携国内ホテル無料宿泊券 |
無料宿泊特典(50,000ポイント分)
Mariott Bonvoyの参加ホテル |
家族会員 | 4枚まで無料発行 | 1枚…17,050円(税込) |
海外旅行保険(最大) | 1億円 | 1億円(利用付帯) |
国内旅行保険(最大) | 1億円 | 5,000万円(利用付帯) |
旅行特典 | 手荷物往復無料宅配(2個まで)
プラチナカードアシスト 海外旅行空港便遅延費用 |
手荷物帰国時無料宅配(1個)
オーバーシーズアシスト |
海外空港ラウンジ | Global lounge Collection
(1,200箇所の国内外空港ラウンジ利用可能) |
– |
国内空港ラウンジ | 利用可能(同伴者1名も無料) | 利用可能(同伴者1名も無料) |
ホテル上級会員 | ・Mariott Bonvoy ・ホテルメンバーシップ ・ヒルトン ・シャングリ・ラ・ゴールデンサークル ・Radisson Rewards |
Mariott Bonvoy |
その他の特典 | コンシェルジュサービス・招待日和 | 参加ホテルにてポイント還元アップ |
「SPGアメックス」「アメックスプラチナ」向いているのはどっち?
私が実際に2枚を使った経験も踏まえて、SPGアメックスとアメックスプラチナが「どのような人に向いているか」を紹介します。
SPG アメックスが向いている人の特徴
SPGアメックスが向いている人は、以下に当てはまる方です。
- Mariott Bonvoyホテルのヘビーユーザーであること
- 海外のMariott Bonvoyホテルを利用している
- 貯まったポイントを移行制限なく、無料でマイルに交換したい
Mariott Bonvoyホテルのヘビーユーザーであること
これはまず必ずの第一条件になりますね。
SPGアメックスをMariott Bonvoyロイヤルティグループ参加ホテルに利用された場合、100円で3ポイント付くところに、さらに6ポイントが貯まります。
ゴールドエリートにて宿泊時のポイントは、通常会員に比べて25%のボーナスポイントが付きます。
以下、の表はアメリカンエキスプレスのSPGアメックスを紹介されているページで掲載されているポイント獲得例です。
海外のMariott Bonvoyホテルを利用している
SPGアメックスを継続することで得られる1泊無料分のポイントは、世界中で使うことが出来ます。
そのため、海外旅行の際にMariott Bonvoyを利用する人にはSPGアメックスが向いています。
貯まったポイントを移行制限なく、無料でマイルに交換したい
大抵のクレジットカードのポイントは、マイルに移行する際に年間上限が決まっていたり、移行が有料、還元率が下がってしまうなどのデメリットがあります。
アメックスプラチナでさえもANAマイルは年間で4万マイルしか交換することが出来ません。(まぁ、4万マイルも交換するためには、年間にカードを400万を利用する必要がありますが…)
また、先にも書いたようにMariott Bonvoyポイントをマイルに変える場合、国内航空会社であればANAマイルでもJALマイルにも変えることができますし、交換できる航空会社の数は40社があります。
(後に書きますが、アメックスプラチナは国内であればANAマイルにしか変えることは出来ません。)
SPGアメックスは得られたポイントを駆使して、海外及び国内での旅行費用を格安もしくは無料で使うことが出来ると自信がある人にはオススメなカードです。
しかし、SPGアメックスはクレジットカード自体の海外のサポートが不十分なのがデメリットです。
例えばSPGアメックスにはプライオリティパスが付帯していません。
海外サポートを補う目的で他のクレジットカードを持つことが必要になる可能性があります。
アメックスプラチナが向いている人の特徴
アメックスプラチナが向いている人の特徴は以下の通りです。
- 年会費14万が負担に思わない人
- 縛られることなく様々なホテルを利用したい人
- 海外旅行によく行く人
- 細かいことを考えるのが苦手な人、疲れる人
年会費14万が負担に思わない人
年会費がまずの第一条件になると思います。14万円・・・高いですよね。
しかし私のように、様々な特典を受けるのだから14万を払う価値がある、元が取れると感じる方もいるでしょう。
縛られることなく様々なホテルを利用したい人
SPGアメックスの良いところでも悪いところでもあるのは、Mariott Bonvoyでしか特典を受けることが出来ないということです。
しかし、アメックスプラチナはFHRも含めて、Mariott Bonvoyを含む4つのホテルグループの上級会員になれます。
Mariott Bonvoyのホテルは、日本の主要な地域にはありますが、存在していない地域もあります。
Mariott Bonvoyのホテルだけに縛られることなく様々なホテルを利用し、さらに特典を得られるのがアメックスプラチナの方が良いところです。
海外旅行によく行く人
先にも書きましたがSPG アメックスは海外旅行におけるサポートにやや不安な点があります。
しかし、アメックスプラチナは年会費が高い分、海外旅行のサポートが充実しています。
細かいことを考えるのが苦手な人・疲れる人
「細かいことを考えるのが苦手な人・疲れる人」は、アメックスプラチナが最も向いているであろうタイプです。実は私がこれに当てはまります。
SPG アメックスは、ポイントを駆使すれば旅行を効率よく楽しめるカードになることは間違いありません。
しかし、シーズンごとに宿泊できるポイントは変化しますし、どこのマイルに交換して、効率よくマイルを特典航空券に交換する・・・すいません、正直私にはめんどくさくてやりたくありません。
その点、アメックスプラチナのポイントは単純なところが多くて楽です。
(以下、ポイント・リワード・プラスに加入していることが条件)
最低でも100円で1ポイントとなります。アメックスのポイントが交換できるマイルは国内航空会社はANAであり、それを含めて15社ほどあります。
ANAであれば1ポイント=1マイルとなるので、還元率は1%と悪くはありません。(ちなみに、移行上限は4万マイル。)
そして、ポイントは旅行関連では1ポイントが0.8円から1円で支払いをすることもできます。航空会社への支払いであれば1円となり、ホテル・旅行代理店であれば0.8円になります。
アメックスのポイントはMariott Bonvoyポイントにも移行可能
アメックスのポイントはMariott Bonvoyポイントにも移行は可能になります。
(AMEXのH PでのポイントをMariott Bonvoyポイントに移行をした場合の案内)
リワード・プラスに加入して、還元率は99%。他にもヒルトンへの交換もあります。
もし、Mariott Bonvoyホテルを使う予定が決まっているのであれば、1ポイント0.8円より良いので、こちらに移行してからポイントを利用しての宿泊も出来ます
私はアメックスプラチナであっても、旅行関連でSPG アメックスに負けているとは思っていません。
その他、コンシェルジュサービスを利用できるのもアメックスプラチナのメリットです。
「旅行は好きだけど計画を立てるのが苦手」…という人はコンシェルジュに依頼してプランを考えてもらうというのもありですね。
反対にアメックスプラチナのデメリットは年会費の高さでしょう。年会費をクリアできる人であれば、アメックスプラチナを持っても「損」と思う人はそこまで多くないと思います。
SPGアメックスとアメックスプラチナの比較まとめ
アメックスプラチナ | SPGアメックス | |
---|---|---|
年会費 | 143,000円(税込) | 34,100円(税込) |
入会特典(2020年7月現在) | 入会3ヵ月で合計150万利用で最大40,000ポイント | 入会3ヵ月以上10万円利用で30,000ポイント(Mariott Bonvoyポイント) |
継続特典 | フリーステイギフト
提携国内ホテル無料宿泊券 |
無料宿泊特典(50,000ポイント分)
Mariott Bonvoyの参加ホテル |
家族会員 | 4枚まで無料発行 | 1枚…17,050円(税込) |
海外旅行保険(最大) | 1億円 | 1億円(利用付帯) |
国内旅行保険(最大) | 1億円 | 5,000万円(利用付帯) |
旅行特典 | 手荷物往復無料宅配(2個まで)
プラチナカードアシスト 海外旅行空港便遅延費用 |
手荷物帰国時無料宅配(1個)
オーバーシーズアシスト |
海外空港ラウンジ | Global lounge Collection
(1,200箇所の国内外空港ラウンジ利用可能) |
– |
国内空港ラウンジ | 利用可能(同伴者1名も無料) | 利用可能(同伴者1名も無料) |
ホテル上級会員 | ・Mariott Bonvoy ・ホテルメンバーシップ ・ヒルトン ・シャングリ・ラ・ゴールデンサークル ・Radisson Rewards |
Mariott Bonvoy |
その他の特典 | コンシェルジュサービス・招待日和 | 参加ホテルにてポイント還元アップ |
SPG アメックスが向いている人は、Mariott Bonvoyのヘビーユーザーであり、得られたポイントを個人で効率よく宿泊にもマイルにも使える人。
アメックスプラチナは年会費が負担に感じず、得られたポイントの使い道を考えるのが苦手な人に向いています。
自分がどちらが向いているか、考えた上でクレジットカードを申し込むようにしましょう。
皆様のお役に立てれば幸いです。