高速道路を走行する際に多くの人が利用するのがETCカードです。
ETCカードにはいくつかの種類がありますが、そのうちの1つにETCパーソナルカードがあります。
クレジット機能がついておらず、デポジットを支払うことで審査不要で入手できるという特徴を持つETCパーソナルカードですが、ETCとしての機能しかついていないがために、解約を検討している人もいるでしょう。
そこで、今回はETCパーソナルカードの解約方法について解説します。
申し込み時に支払うデポジットの払い戻しについても紹介しているので、今まさに解約しようとして人はぜひ参考にしてみてください。
※本ページにはPRが含まれます。
ETCパーソナルカードの概要
ETCパーソナルカードは、ETCカードの一種であり、以下の高速道路6会社によって発行されています。
- NEXCO東日本
- NEXCO中日本
- NEXCO西日本
- 首都高速道路株式会社
- 阪神高速道路株式会社
- 本州四国連絡高速道路株式会社
ETCカードの中には、クレジットカードの付帯サービスとして発行できるものがありますが、ETCパーソナルカードはクレジットカードとは一切関係がなく、またカード自体にクレジット機能もついていないため、純粋にETCとして利用するのみです。
なお、入手にあたっては、申し込みの段階でデポジットとして預託をする必要があります。
金額は有料道路の利用状況に応じて、20,000円、40,000円、60,000円、80,000円の4パターンに分かれます。
ETCパーソナルカードを解約する方法
持っていて便利なETCパーソナルカードですが、さまざまな理由から解約を希望する人もいるでしょう。
例えば、クレジットカード付帯のETCを入手することができた場合、ポイントを貯めることもできるクレジットカード付帯のETCカードの方が使い勝手がいいため、解約を検討することになります。
また、急にお金が必要となり、デポジットの払い戻し目的で解約する人、単純に高速道路を使う機会がなくなった(転職、引っ越し、車を手放すなど)人もいるでしょう。
そこで、ここではETCパーソナルカードを解約する際の流れについて紹介します。
ETCパーソナルカード事務局へ連絡する
ETCパーソナルカードの利用規約には、カードを利用する必要がなくなった場合、書面とともにカードを高速道路6会社に返却することで解約することができると記載されています。
そのため、ETCパーソナルカードを解約するためにはまず、カード事務局に連絡し解約に必要な書類を郵送してもらう必要があります。
ETCパーソナルカードの事務局の連絡先は以下の通りです。
TEL:044-870-7333(土日祝日年末年始を除く9時~17時)
こちらの電話番号に連絡して、解約したい旨を伝えると、解約に必要な書類を送ってもらえます。
なお、書類に関しては郵送で自宅に送られてくるため、解約には一定の期間がかかるものと考えておきましょう。
必要事項を記入してカードと一緒に返送する
ETCパーソナルカード事務局から必要な書類が届いたら、必要事項を入力し、ETCカードを同封して事務局へ返送します。
クレジットカードのようなほかのカードの中には、解約時にカードを裁断して破棄する場合もありますが、ETCパーソナルカードの場合、破棄ではなく返却なので、解約するからといって先に捨ててしまわないようにしましょう。
もし、カードがないとなると、デポジットが戻ってこない可能性もゼロではありません。
解約するとデポジット金はどうなる?
先ほどから少し触れていますが、解約すると申し込み時に支払ったデポジットの払い戻しを受けることができます。
デポジットに関しては、指定の口座に振り込まれる形となり、返金までは約1〜2ヶ月を要します。
すぐにお金が必要で、デポジットの払い戻しをあてにしているという人は、返金までに時間がかかる点に注意してください。
また、デポジットは利用料金の支払いが完了していることを高速道路6会社が確認しなければ、払い戻されることはありません。
ちなみに、デポジットは、解約を申し出た日から5年経過すると払い戻しを請求することができなくなります。
デポジット金額は最大で8万円と高額なので払い戻し忘れがないように、解約する場合は速やかにデポジットの払い戻しの手続きも行うようにしましょう。
支払わずに強制解約するのはあり?
カードの使い方が悪いとカードの利用ができなくなる恐れがあるほか、最悪の場合強制的に解約されてしまうこともあります。
強制解約となった場合、気になるのが解約後の料金の支払いについてです。
中には「強制的に解約させられたのだから料金を支払う必要はないはずだ」と、解約前に利用したETCの利用料金の支払いが不要と考えている人もいるかもしれません。
しかし、いくら強制解約をされたからといっても、それまでに利用したETC料金の支払いが免除されることはありません。
強制解約後でも支払うのはカード利用者です。
また、未払いの状態が続き、事務局から支払いの督促を受けた場合の督促手数料や、公正証書の作成が必要になった際の作成費用などは、全て会員が負担するものと利用規則に記載されています。
つまり、カード利用者は強制解約させられたとしても、料金を踏み倒すことはできず、最後の1円まで料金を支払って、晴れて完全に解約することができるのです。
強制解約となる条件は?
ETCパーソナルカードの利用規約によると、利用者が会員資格を喪失するのは以下の場合です。
- 死亡した時
- 会員の法人が解散した時(法人カードを作成した場合)
- 会社更生、民事再生、破産、特別清算などの申し立てを行った時
- カードを利用できない状態が継続していると認められた時
上記の場合に、会員資格を喪失することになりますが、いわゆる強制解約となるのは4つ目のカードを利用できない状態が継続していると認められた時と考えられます。
これは、例えば支払いの延滞が数ヶ月間に渡って続いた時などが考えられます。
ちなみに、強制解約とまではいかなくても利用停止になるケースもあります。
例えば、未払いの利用料金がデポジット金額の80%を超えた場合や、利用金額の引き落としが指定の口座からできなかった場合、利用状況に応じたデポジットの追加支払いに応じなかった場合などは、カードの利用が停止されてしまいます。
強制解約の場合デポジット金はどうなる?
解約すると、申し込み時に支払ったデポジットの払い戻しが受けられると先ほど紹介しましたが、強制解約の場合は払い戻しが受けられません。
先ほど紹介した解約となる条件のうち、会員の法人が解散した時と会社更生、民事再生、破産、特別清算などの申し立てを行った時に関しては、ETCパーソナルカードの利用規約の中で、デポジットの返金が適用される旨が記載されています。
しかし、カードを利用できない状態が継続していると認められた時に関しては、返金が適用される旨が記載されていないため、返金は受けられないものと理解できます。
また、そもそも支払い遅延などで強制解約させられた人に、デポジットの返金が行われるというのはおかしな話であるため、当然といえば当然のようにも思えます。
強制解約になると信用情報に傷がつく?
クレジットカードの場合、強制解約されると信用情報にその事実が掲載されることになります。
信用情報とは、その人の支払い状況を表す情報のことです。
過去にクレジットカードや携帯電話料金の支払い延滞や債務整理、カードの多重申し込みを行った場合などは信用情報に傷がついた状態になります。
これはいわゆるブラックリストに載った状態です。
信用情報に傷がつくと、クレジットカードの審査に通る可能性がかなり低くなるほか、借り入れなども難しくなってしまいます。
ETCパーソナルカードの場合、強制解約させられると、その後ETCパーソナルカードを作れなくなる可能性があります。
一方で、信用情報に関しては特に影響はないものと考えられます。
信用情報を扱う期間の1つであるCIC(CREDIT INFORMATION CENTER:割賦販売・貸金業法指定信用情報機関)によると、信用情報として登録される情報は以下の通りです。
- 名前
- クレジットカードの契約内容
- 毎月の支払い状況
- 本人申告情報
- 貸金業協会依頼情報
- 電話帳掲載情報
など
これらの情報を見る限り、ETCパーソナルカードに関係していると思われるものはないため、ETCパーソナルカードの強制解約が信用情報を傷つけることはないと考えられます。
デポジット金を回収するために忘れずに解約しよう
ETCパーソナルカードの解約は、時間こそかかりますが、決して難しいものではありません。
また、デポジットも払い戻しをしてもらうことができます。
ただし解約から5年が経過すると払い戻し申請ができなくなるので、注意してください。
なお、解約をしないと年会費1,234円(税込)が発生するため、デポジットを回収するためにも、無駄に年会費を支払わないようにするためにも、ETCパーソナルカードが不要になったら必ず手続きを行うようにしましょう。
解約する前に
この記事を読んでいる人は、ETCパーソナルカードの解約を希望している人がほとんどだと思います。
ただ、解約をする前に、もう一度本当に解約していいのかどうか考えることをおすすめします。
ETCカードは貸し借りができないものであるため、ある日急にETCカードが必要になったとしても、用意できない可能性があります。
そのため、車を利用する機会がある人は持っておいたほうがいいかもしれません。
また、もし自分の信用情報に傷がついている場合、一度ETCカードを手放してしまうと、再度作成することが非常に難しくなります。
ETCカードがなくても本当に困らないのかどうか、将来のことを見越して考えるようにしましょう。
考えた結果やはり不要ということであれば、今回紹介した解約手順で解約するようにしてください。
まとめ
今回は、ETCパーソナルカードの解約方法とデポジットの返金などについて解説しました。
使用頻度が低い、年会費無料の他のETCカードを手に入れたなどETCパーソナルカードが不要になるケースもあるかと思います。
不要になった場合は、手続きをちゃんと行えばデポジットの払い戻しが受けられるため、必ず今回紹介した手続きを行うようにしてください。