海外旅行に行く際「どのクレジットカードを持っていこうか」と悩むことはありませんか?
今日は、海外旅行、特にアメリカへ旅行する際に持っておくと便利なクレジットカードについてご紹介します。
執筆者が考えるカード選択にあたってのポイントは以下の通りです。
- 行き先で通用するカードは何か
- 手数料が低いカードは何か
- ステータスが活かせるカードを保有しているか
これらの視点に沿って考えるだけでも、何を持参するか&保有しておくかがずいぶんと整理されることと思います。
今日はこれらの点について解説しつつ、実際のクレジットカードについても何枚か例を挙げてご紹介します。
※本ページにはPRが含まれます。
アメリカ旅行におすすめのクレジットカードの考え方
行き先で通用するカードを考えよう
まずは、渡航先で通用するカードが何かを考えましょう。
「カードのブランド」と考えてもらって構いません
クレジットカードの世界では、グローバルで見ると国際ブランドと呼ばれる6つのカード会社のシェアが圧倒的に多く、日常目にする機会のあるカードもこのうちのどれかに当てはまることがほとんどでしょう。
国際ブランド
- VISA(ビザ)
- MasterCard(マスターカード)
- JCB(ジェーシービー)+Discover(ディスカバー)
- American Express(アメックス)
- DinersClub(ダイナース)
- 銀聯(ユニオンペイ)
しかし、日常での利用、特に海外での利用を考えた場合、渡航先や利用シーンによって、持参すべきカードはかなり異なります。
たとえば、グローバルで見れば圧倒的なトップブランドのVISAも、ヨーロッパでは場所によってMasterCardの方が通用しやすいといった逆転現象が起こり得ます。
アメックスやJCBは、ヨーロッパではそもそも利用できないという場面にも遭遇します。
アメリカでおすすめの国際ブランドは?
反対に、アメリカへの旅行を考えた場合、アメックスが利用可能なシーンの比率は格段に上がります。
Costcoなどの一部店舗を除いて、アメックスがアメリカで通用しないということはまずありません。
日本発の国際ブランドであるJCBはというと、JCBのマークそのものは見かける場面がハワイなど一部を除いてまだまだ少ないものの、Discoverと提携しており多くのアメリカの店舗で利用は可能です。
ただし、『JCB』というブランド自体を知らないアメリカ人も多いため、カードを見た瞬間・JCBと言った瞬間に「使えない」と跳ね付けられてしまうことも・・・
Discoverが使えれば使えるはずと説明すると受け付けてもらえるケースもありますが、渡航先がアメリカなのであれば、財布に入っているのがJCBのみというのはやはり不安です。
特に英語の苦手な人にとっては余計な心配が一つ増えてしまうため、ただでさえ慣れない土地で、面倒が増えてしまうのはやはり避けたいものだと思います。
他方で、JCBには『JCBプラザ』『JCBプラザラウンジ』というトラベルデスクがいくつかの国際都市に設置されており、様々なサービスを受けることが可能です。
下記は『JCBプラザラウンジ』の場合のサービスです(https://www.jcb.jp/ws/plaza/index.html より抜粋)。
「JCBプラザ ラウンジ」専用サービス
- インターネット、プリントアウト無料サービス
- 日本語新聞※1、雑誌の閲覧
- 現地ガイドブック、情報誌の閲覧
- ドリンクサービス
- マッサージ機
- レンタル傘サービス
- お荷物の当日中一時預かりサービス
これらのサービスは、慣れない土地での旅行で疲れたときの「ちょっとした一息」としても、使えるととても心強いベネフィットになると思います。
以上から言えることは、渡航先や利用シーンによってベストなカード選びは異なってくるということ。
行き先でどんな使い道があるのかを考えて、どのカードを持っていくのかを考えてみてください。
上でご紹介した通り、ハワイやグアムなどに行くのであれば、JCBカードを一枚持っておくと、JCBプラザラウンジが使えて便利だと思います。
手数料が低いカードを考えよう
続いての検討ポイントは、「手数料」です。
日本のクレジットカードを海外で利用した場合、請求書明細に下記のような見慣れない項目が出てくるのに気づいたことがある方も多いと思います。
- 海外ショッピング手数料
- 海外事務処理手数料
- 外貨取扱手数料
- 海外ショッピング事務手数料
これらは、名称こそカード会社によって異なりますが、外貨決済の場合にカード会社から追加請求される手数料です。
この手数料は、カード会社と、カードのブランドによっても異なります。
いくつか例を挙げて説明してみましょう。
サンプルカードの外貨手数料の名称と手数料率
カード会社 | 手数料の名称 | ブランド名 | 手数料 |
---|---|---|---|
楽天カード | 事務手数料 | Mastercard | 1.63% |
American Express | 2.00% | ||
VISA | 1.63% | ||
JCB | 1.60% | ||
Yahoo!JAPANカード | 事務取扱手数料 | Mastercard | 2.20% |
VISA | 2.20% | ||
JCB | 1.60% | ||
イオンカード | 事務手数料 | Mastercard | 1.60% |
VISA | 1.60% | ||
JCB | 1.60% | ||
セゾンカード | 海外利用に係るコスト | Mastercard | 2.20% |
American Express | 2.00% | ||
VISA | 2.20% | ||
JCB | 2.15% | ||
エポスカード | 海外利用に係る事務処理費 | VISA | 1.63% |
(引用元:各カード会社のホームページを基に執筆者が作成)
上記は、一度は目にしたことが多いであろうメジャーなクレジットカードを5つ、サンプルとして取り上げました。
見て頂く通りわかる通り、手数料の名称もバラバラなら、手数料率も1.60%~2.2%までまちまちです。
VISAの手数料はやや低く、アメックスはおおむね2.0%の手数料を取っていることがわかります。
そして、手数料率はブランドだけではなく、カード会社によっても異なります。
たとえば0.5%手数料が変わるだけでも、20万円の買い物なら1,000円、100万円の決済なら5,000円です。
年間通じて海外に行く機会が多い方には、これだけでも結構馬鹿にならない金額になるはずですので、ご自身が保有しているカードの手数料をネットで一度検索してみてください。
また、海外での利用を考えた場合、クレジットカードに通常付帯している「海外キャッシング」(=海外ATMでの外貨引き出し)という方法を利用することで、決済に係る手数料を抑えるおトクな裏技もあります。
「海外キャッシング」を利用した場合には、キャッシング~返済までの期間についての金利が発生する代わりに、上記で説明した外貨手数料は発生しません。
そして、金利は繰り上げ返済をすることが出来れば、かなり節約することが可能です。
したがって、クレジットカード上級者向けの決済方法としては、カード決済による外貨手数料と、海外キャッシングで発生する金利を比べてショッピングを行う、なんて技もあります。
詳しくは、以前セディナカードを例に解説した下記のエントリを参考にされてみてください。
セディナカードの海外キャッシング返済方法と手数料を抑える方法
ステータスが活かせるカードを持参しよう
最後の検討ポイントは「ステータス」です。
クレジットカードによっては、保有しているだけで対象の施設やサービスで優遇を受けられるステータスカードが存在します。
わかりやすいのがゴールドカードです。
以前、下記のエントリでANAのゴールドカードのラインアップ5枚をご紹介しましたが、これらのカードにはすべて国内主要空港+ハワイ・ホノルル空港などで空港に設置されるラウンジにアクセスできるラウンジアクセスのベネフィットが付帯しています。
こういったステータスカードは、該当施設で提示することで割引を受けられたり、サービスにアクセス出来たりとさまざまなベネフィット受けることが可能です。
ステータスカードの代表のは「航空系」と「ホテル系」のカードですが、他にもクレジットカードによっては思わぬベネフィットが見つかったりといったことがあるため、旅行前に一度お手持ちのカードに付帯しているベネフィットを確認してみることをお勧めします。
アメリカ旅行におすすめの年会費無料クレジットカード
では、上記で解説した検討ポイントを基に、3つアメリカを含む海外旅行向けのおすすめカードをご紹介したいと思います。
なお、クレジットカードはとにかくたくさんの種類が発行されていますが、ここでは年会費が無料のカードに絞っておすすめカードを考えてみたいと思います。
おすすめ①:REX CARD
REX CARD(レックスカード)
カード年会費 | 無料 |
---|---|
ETC年会費 | 無料 |
ETC発行手数料 | 無料 |
還元率 | 1.25% |
電子マネー | — |
申し込み資格 | 満18歳以上で電話連絡が可能な方 |
- ポイント還元率が1.25%
- 海外旅行保険が自動付帯
- JACCSモールの利用で還元率がアップ
最初のおすすめは、REX CARDです。
REX CARDはJACCSが発行するクレジットカードで、あまり一般には知られていませんが、実は年会費無料のカードとしてはとても優秀な高コスパカードです。
お勧めの理由は、何と言っても年会費無料のカードながら、ポイント還元率が1.25%(2,000円利用あたり25ポイント)と高還元な点です。
2,000円当たりのポイント付与のため、例えば1,900円のカード利用の場合ポイントは貯まりません。
したがって、少額決済を繰り返す日常使いにはあまり向かないカードですが、海外旅行で出費が大きくなりがちなシーンでは、還元率の高さからポイントがザクザク貯まるカードに変身します。
また、このカードの2つ目のおすすめポイントとして、海外旅行傷害保険が自動付帯する点も挙げられます。
(引用先:https://www.jaccs.co.jp/service/cardservice/travelservice/kaigai/travelinsurance/ を基に執筆者作成)
REX CARDの海外傷害保険
補償項目 | 保険金額 |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 最高2,000万円 |
傷害治療費用 | 80~2,000万円 |
疾病治療費用 | 最高200万円 |
賠償責任 | 最高2,000万円 |
救援者費用 | 最高200万円 |
携行品損害(免責3,000円) | 最高20万円 |
最後のおすすめポイントは、海外キャッシングです。
海外キャッシングの機能が付いたクレジットカードはたくさんありますが、REX CARDが優れているのは、REX CARDには海外キャッシングによりATM手数料が発生しない点です。
海外キャッシングサービス利用時にATM利用手数料はかかりますか。
回答
海外キャッシングサービスをご利用の場合、ATM利用手数料はかかりません。
この後紹介する2つのクレジットカードの場合、少額ですが利用のたびにATM利用手数料が発生するため、キャッシングで海外旅行を乗り切りたいけれど引き出し手数料が気になる・・・という方にはありがたいベネフィットだと思います。
REX CARDについての海外キャッシングについては、カード公式ページも参考にされてください。
最後に、カードブランドは、VISAとマスターから選ぶことが可能です。
おすすめ②:エポスカード
エポスカード
カード年会費 | 無料 |
---|---|
ETC年会費 | 無料 |
ETC発行手数料 | 無料 |
還元率 | 0.5% |
電子マネー | — |
申し込み資格 | 満18歳以上の方 |
- カード年会費・ETCカード年会費無料!
- 海外旅行保険が最高500万円自動付帯
- マルイで年4回10%OFF・カラオケ30%OFFなど優待点多数
続いてのおすすめは、マルイが発行するエポスカードです。
マルイが発行するカードが海外利用におすすめと言われると、にわかに信じがたい部分もあるかもしれませんね。
おすすめの理由は、REX CARD同様、海外旅行傷害保険が自動付帯する点です。
海外旅行傷害保険が付帯するカードは数多くありますが、そのほとんどが利用付帯(旅行代金のカード決済が条件となって傷害保険が付帯するもの)であり、エポスカードのように自動付帯となっているカードは極めて珍しいです。
付帯する保険の内容は下記の通りです。傷害治療が200万円というのは決してそれだけで安心できる金額とは言えませんが、あった方がベターなのは間違いありませんね。
補償項目 | 保険金額 |
---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 500万円 |
傷害治療費用 | 200万円 |
疾病治療費用 | 270万円 |
賠償責任 | 2,000万円 |
救援者費用 | 100万円 |
携行品損害(免責3,000円) | 20万円 |
(引用元:https://www.eposcard.co.jp/benefit/oversea/insurance.html を基に執筆者作成)
REX CARD、エポスカードともに海外傷害保険が自動付帯するカードが続きましたが、実際には自動付帯は極めて珍しいケースで、年会費無料のカードでは利用付帯として提供されるベネフィットであるケースがほとんどです。
カードブランドはVISAのみで、外貨手数料は2020年4月現在1.63%です。
ちなみに、
- エポスゴールドカード
- イオンゴールドカード
あたりのカードは、年会費無料のカードながら、国内空港のカードラウンジのアクセスが付帯する超優良なカードです。
どちらも通常カードを一定額金額等利用した人だけにインビテーションが送られてくる招待制のカードのため、すぐには保有できませんが、このカードをゲットできるとかなりお得なベネフィットを受けることが可能になります。
おすすめ③:楽天カード
楽天カード
カード年会費 | 永年無料 |
---|---|
ETC年会費 | 540円 |
ETC発行手数料 | 無料 |
還元率 | 1.0% |
電子マネー | |
申し込み資格 | 満18歳以上 |
- 還元率が常に1.0%以上
- 楽天市場でポイント還元率3.0%以上
- カード年会費無料
最後のおすすめは、おなじみショッピングモールの楽天が発行する楽天カードです。
楽天カードは、昨年2019年3月末現在の会社データで、カード発行枚数が1,700万人を突破したという「超」の字がつくマンモスカードで、保有しているという方も多いと思います。
海外旅行シーンで考えた場合、楽天カードで使えるベネフィットは、
- Wi-Fiレンタルや、海外レンタカーの割引
- カード保有者向けラウンジサービス
- 海外傷害保険
などがあります。
このうち、特に①のWi-Fiレンタルの割引サービスは、利用料金が20%OFF、一部海外受け渡しも可能と、かなり嬉しいサービスです。
(詳しくは、https://www.rakuten-card.co.jp/overseas/ を参照されて下さい。)
ちなみに、海外傷害保険に関して、楽天カードの場合、利用付帯である点には注意です。
したがって、自動で傷害保険に加入していることにはなりませんので注意が必要です。必ず旅行代金の一部でも決済に含めておくようにしてください。
なお、ここでご紹介した3枚は、あくまで年会費無料のカードに絞ってのおすすめカードですので、年会費が有料のカードを検討対象に加えた場合、おすすめカードのラインアップは大きく変わります。
また、旅行先がハワイで、JCBのトラベルプラザを利用したい!というように明確な目的や用途がある場合には、もちろん該当のカードを持参するのが良いです。
まとめ
今回は海外旅行、特にアメリカへ旅行する際に持っておくと便利なクレジットカードの考え方と、海外旅行に役立つ年会費無料のおすすめクレジットカードを3枚ご紹介しました。
大事なのは、いくつかのクレジットカードを保有しておいて、その中から旅行の都度どのカードを持参するのかをご自身の旅行プランに照らして考えてみることです。
そして、持参するカードを2枚以上にした上で、1枚はVISAで、もう1枚はJCBというように出来ればカードブランドの違うものを持参すること。
こうすることで、旅先での読み取りエラーなどのカードの不具合にも慌てることなく対応できるだけでなく、カードブランドによって使えないといったお店側の都合にも対応することが可能になります。
たくさんカードを持参しすぎて紛失が怖くなってしまうのも考え物ですが、2枚、出来れば3枚くらいは財布の中に入っていると安心して海外旅行が楽しめると思います。
よかったら今日ご紹介したカード選びの考え方を、サンプルで取り上げたクレジットカードと合わせて参考にされてみてください。