一般的なクレジットカードの名義人は保有者ですが、法人カードとなると「会社名」と「個人名」のどちらが名義になるかご存じでしょうか?
会社として経費精算を効率化するために、法人カードを導入している法人はとても多くなっています!
これから法人カードの導入を検討している経営者や、既に法人カードを利用している方もぜひチェックしてみてください。
この記事では、法人カードの「名義」に関することや、法人カードを利用するうえでの注意点についてご紹介していきます!
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法人カードの名義は会社名と個人名のどっち?
法人カードの名義人は、個人カードと同様に使用者本人となります!
法人向けのカードではありますが、企業に対して発行されているものではなく、その企業に属している個人に対して発行されるものです。
クレジットカード券面にも使用者本人の個人名が記載されています。
法人カードなのに、個人名義となるのは何だか不思議な感じもしますが、その法人に属している個人に発行しているものとなります。
そもそも「名義」とは?
クレジットカードは発行元のカード会社に所有権があり、カードは使用している会員本人に「貸している」ということになります。
借りている会員本人は、自分専用に発行されたクレジットカードを使用する形となるため、家族や友人、同僚などカード名義人以外は利用することができないのです。
そのため、利用者本人の承諾を得ていたとしても、第三者が利用することはカード会社の利用規約に違反するため禁止されているのです。
「信頼している相手だし、少しくらい貸しても大丈夫!」というような考え方はキケン!
状況によっては詐欺罪となることもあるので、安易に人に貸さないように気を付けましょう!
法人カードの券面に個人名と会社名が載っている場合も!
法人カードの券面には使用者の個人名が載っていると説明させていただきましたが、法人名と個人名の両方記載されていることもあります。
その場合の名義人はどっち?支払い後のサインはどうするの?
と、色々戸惑いますよね。
法人名と個人名の両方が記載されている場合であっても、名義人は使用者本人となります。
記載されている法人に属しているという信頼のもと、クレジットカード会社から個人へカードが貸与されています。
また、支払後のサインについても使用者個人名となります。
券面に法人名が載っていても、あくまで使用者本人名義で、サインも使用者本人になるのでご注意ください。
法人カード利用時の領収書名はどうするの?
法人カードを利用して、領収書を求めない通常の支払いであればサインは「個人名」となることを説明しました。
それでは、法人カードで支払ったものに対して領収書を発行してもらう場合、宛名はどうすべきでしょうか?
少しややこしいのですが、領収書の宛名は「法人名」で記入してもらう必要性があります。
通常の支払は「個人名」で、領収書宛名は「法人名」となることを必ず覚えといてくださいね!
なぜ領収書の場合は宛名を法人名とするのでしょうか?
理由としては、法人口座から支払いが行われているため、決済済みの証明となる領収書の宛名は法人名で記載します。
経費精算時の提出証憑に注意!
法人カードを利用して支払を行った場合、経費精算時に「領収書のみ」の提出では認められないこともあるのでご注意ください!
基本的に領収書は、「現金」で支払ったものに対し、受領したことを証明するために発行されます。
正式な領収書に関しては、印紙税が課税されるため「印紙」を貼らなければなりません。
一方で、法人カードで支払をした場合は現金の受領事実がないため印紙が不要に。
そのため、公的に認められたエビデンスとはならので、正式な証憑として扱われないケースもあります。
また、経費精算を行う会社としても領収書のみの提出では内容の詳細がわかりません。
不正利用を防ぐ意味でも、いつ・どこで・どこで・いくら支払ったものか把握できるようにレシートの提出が必須となっている企業もあります。
また、消費税の内訳を把握する際にもレシートに記載されている「税」の内訳が必要になります。
2019年10月より消費税が引き上げられ、品目によっては軽減税率の適用となるため消費税の計算方法が複雑になりました。
法人カードで支払後、「領収書を受け取ったし、レシートは破棄しちゃおう!」と軽い気持ちで破棄して、後から経費精算でトラブルにならないように気を付けてください。
そして、経費精算処理が完了するまでは必ず利用時の証憑を保管しておきましょう!
レシートなど証憑の受け取り忘れに注意!
支払い先によってはレシートそのもの自体渡されないこともあります。
経費として申請をするのであれば、自らレシート発行依頼をするなど、必ず受け取るようにしてくださいね!
特に海外出張時は注意が必要です。
日本よりもレシートや利用明細を渡すことに関し、徹底されていないことが多くなっています。
飲食店やホテル、タクシーなどで急いで支払だけ行い、使用した法人カードのみ返却され、後から「領収書やレシートを受け取っていなかった!」というケースも。
中には、利用明細書やレシートを発行してもらったけれど金額や利用日が間違っていた…ということも。
帰国してから気付いた場合、メールで問い合わせ後に正式なものをメールで送ってもらうなどとても手間や労力がかかります。
支払時に何気なく受け取るレシートですが、後から面倒なことにならないよう、その場で確認できることはしておくといいですよね!
また、海外のタクシー会社によっては領収内容を手書きで書いた紙を渡されるケースもあります。
その場合は、利用日・金額などがしっかりと記載されているか確認をしましょう!
不安であれば、メーターに映っている金額を写真で撮って保管しておくなど、利用金額に対して会社として清算するための「根拠」や「証拠」を残すこともひとつの手です。
経営者・代表に法人カードを発行した場合の名義はどうなる?
法人カードであっても名義人は使用者本人で、使用についても名義人限定であることを説明しました。
それでは、経営者や企業の代表に法人カードを発行する場合はどうなるのでしょうか。
経営者・代表向けに法人カードを発行
経営者や代表者など、企業や法人のトップに立つ方が法人カードを発行した場合も同様に「使用者個人名」となります。
あくまで法人カードなので、その企業や法人に属している個人へ貸与される形になります。
代表者変更にともなう名義変更手続き
企業や法人などの組織において、経営者や代表者の交代や、退職がありますよね。
その都度、法人カードの代表者名変更手続きを行う必要があります!
手続きを正しく行わないことで、法人カードの信用情報に悪影響を及ぼすことや、最悪の場合は法人カードの解約というような事態になることも。
あらかじめ早い段階から、法人カードの登録情報変更方法について準備や下調べをしておきましょう!
名義変更方法とは?
それでは、代表者変更にともなう名義変更について具体的にどのように手続きをするのでしょうか?
まずは、法人カードによって電話受付やネット申込みなど、手続き方法が異なるため発行元のクレジットカード会社へ確認をしましょう。
確認がとれたら、代表者変更の申込みをします。
その後、自宅へ名義変更に関する資料が郵送されてくるので、内容を確認後に必要事項を記入してください。
新しく就任される代表者名を記入し、不備や不足などがないよう確認。
問題無ければ、申請の準備が完了後に法人カード名義変更対応デスクへ郵送します。
その後、申請にあたり不備や問題がなければ承認されるので、それまで待ちましょう!
承認後、数日すると新しい法人カードが送られてきます。
申請から新しい法人カードの受け取りまで、時間が空いてしまいます。
代表者変更することが分かったら、早めに名義変更手続きを進めていきましょう!
名義変更後の注意点①
名義変更の手続き申請後、新しい法人カードが届いたら以前使用していた法人カードは使用しないように気を付けましょう!
名義変更にともない登録情報が更新されると、クレジットカード番号が変更されてしまいます。
新しいカードが届いたら、以前のカードは破棄もしくはカード会社へ返却をします。
カード会社により、処理方法が異なるため必ず指定の指示に従うように気を付けましょう!
ハサミで切った後に破棄したら、カード会社から返却を求められた…
というような事態にならないように、自己判断をせず事前確認を十分行うよう気を付けてください。
名義変更後の注意点②
名義変更後に必ず忘れてはならない、クレジットカードの支払い登録情報の変更です。
この前でもお伝えしたように、名義変更後に届く新しい法人カードでは、併せてクレジットカード番号も変更されています。
新しい法人カードへ登録情報を変更せずにいると、支払いができずに大変な事態になりかねません!
例えば、会社で使用しているライフラインの支払を以前の登録情報のままにしておくと、支払いが上手くいかず、最悪の場合はライフラインが止まってしまうことも…
電気が止まってしまっては、仕事もできなくなってしまいますよね。
また、インターネット料金や電話料金の支払いができずに利用停止となった場合、ビジネスにおいて大きな損害がでる非常事態となる可能性もあります。
会社の備品購入先のインターネット通販などオンライン上の登録情報変更も忘れずに!
本来、届く予定だったものが届かずに社内や取引先に迷惑をかけてしまうかもしれません。
最悪の事態を防ぐためにも、名義変更にともなう準備や手続きがとても重要となります。
「名義変更して新しい法人カードをゲット!」で、そこで安心せずに手続き漏れがないかしっかりと確認しておきましょう!
計画的に漏れなく手続きをしたい方は、事前に登録情報変更先のリストを作成すると効率的です。
法人カードの利用金額引き落とし口座名義は個人?法人?
法人カードの名義は使用者本人。
それでは、法人カードを使用したことによって利用金額が引き落としされる口座は法人と個人のどちらでしょうか?
また、メリットについてもご紹介してきます!
法人カード利用金額引き落とし口座は「法人口座」にしよう!
基本的に法人や企業は、法人カードを導入する理由として「経費精算」をより効率的に行うためです。
出張や接待費、備品の購入など用途は様々です。
会社の経理として、だれが・どこで・いつ・いくら利用したのか把握する必要があります。
使用者個人の使用情報については、毎月発行される利用明細内容で把握することは可能ですが、実際の引き落とし口座まで個人に任せてしまうと残高不足で引き落としができない…
というような、トラブルになりかねません。
確実に引き落としが行われるよう、法人カードの引き落とし口座は会社として専用口座をもち、一括管理しましょう。
法人カードの名義人は使用者個人ではありますが、あくまで法人や企業名に所属している従業員と見なされるため、支払遅延が続くと良いイメージはありませんよね。
会社としても、支払遅延によるクレジットカード会社からの信用が下がってしまっては困ってしまいます。
クレジットカード会社はカード申込者の「信用情報」を見極めたうえで、カード貸与を行いますので、管理が行き届くように法人カード利用金額が引き落としされる法人口座の使用をおすすめします!
その他、法人口座を使用するメリットとは?
法人カード保有者が口座を公私で分けることができるため、収支による口座残高を管理がラクになり負担が減ります!
収入から、家賃や食費、プライベートで使用しているクレジットカードの引き落としなど、計算をしたうえで法人カード利用分の金額を確実に口座に残さなければなりません。
引き落とし日や金額の把握ができていないと、うっかり残高不足に!
そうなるとカード会社へ連絡や、口座へお金を入金したりなど個人の負担がとても多くなります。
また、何らかの理由で経費精算が遅れてしまうと、クレジットカード会社からの引き落としが先に行われ、給与として経費精算の振り込みが後になることも。
引き落とし金額が先に振り込みされていないと、残高不足で引き落としができなくなり、カード会社から連絡がきてしまった…というような事態に。
少ない金額であれば多めに口座へ入れるだけでカバーできますが、海外出張時など大きな金額の場合は100万円近くなることもあります。
個人の貯金から立て替えるのは大変ですし、足りない場合もありますよね。
経費精算の効率化を図るのであれば、個人口座の使用はおすすめしません。
法人口座であれば、会社として管理をしてくれますし、立て替える必要性もありません。
法人カード券面に刻まれるアルファベット表記はどうする?
クレジットカードの券面には、会社名や名義人名がアルファベットで刻まれています。
個人名であれば、パスポートなどで使用しているアルファベット表記で申込みをすれば問題ありません。
それでは、法人名の場合はどうなるのでしょうか?
法人名は英語表記とローマ字表記のどちらか決めておく
法人カードの券面に記載するアルファベット表記は、どのように表記するか決めておく必要があります。
例えば、「クレカ出版」という会社名の場合、「KUREKA SHUPPAN」やイニシャル表記の「K.S」などの表記になることもあります。
一度決定すると、基本的に申込み後に変更することはできません。
申込み前にしっかり考えることや、社内で統一された英語表記名があるのか確認をしておきましょう!
英語表記の場合、商号はどうする?
会社名とは別に「株式会社」や「合同会社」、「有限会社」など商号が付いていますよね。
英語表記方法も様々で、国によっても正式表記方法が異なります。
例えば、同じ「株式会社」であっても
- アメリカ:「Inc.」/「Corp.」
- イギリス:「Limited」
- 日本:「Co.,」/「Ltd.」
- ドイツ:「GmbH」
このように様々な表記となっています。
会社としてどの表記にするか、検討したうえで申込みを行うようにしましょう!
またカード会社により、券面の記載文字数制限のある場合もあります。
文字数についてもカード会社の規定を確認しておくとスムーズに申込みが進みますね!
表記の注意点とは?
個人名や法人名をローマ字表記する場合は、様々な記載方法があります。
例えば、「CA」と「KA」や、「TOUYOU」と「TOYO」など。
ローマ字表記にすることで、券面のみ表記を変更しなければならないケースもあります。
発行元であるカード会社の規定内であれば、希望の表記にすることが可能。
会社内で決められている英語名と異なる場合や、文字数がオーバーしてしまう場合は、社内で表記名について相談するようにしましょう!
まとめ
法人カードの名義についてご紹介しました!
法人カードも通常のクレジットカード同様に「使用者本人」が名義人となります。
ただし、気を付けなければならないのが、支払後のサインは「使用者本人名」で、領収書の宛名は「法人名」となります。
また代表者が変更となった場合、法人カードの名義変更が必要です。
名義変更を行わなかった場合や、うっかり忘れていた!という場合、カード会社の規定違反となり、最悪の場合法人カードの解約となるケースも。
「名義人」に対しクレジットカード会社から、カードが貸与され使用していることになります。
使用にあたり、しっかりと規約を守り、会社のルールに沿って利用するように心掛けましょう!
法人カードを使用し続けるには、所属している会社とクレジットカード会社からの信用なくしては保有できません。
法人カードがあることで、効率的に業務や清算が効率化するので、持っているだけでもとても便利!
経費精算をより簡単にしたいと考えている方は、この機会に法人カードの導入を検討してみてください。