法人カードの審査を受けるためにはまず、必要書類を用意しなければなりません。しかし、必要書類は何なのか、何を用意すればいいのかと、多くの経営者は悩んでいます。
法人カード発行会社に問い合わせればわかるのではと思っている人はいるのですが、問い合わせするより、なるべく自分で用意したいと考えている経営者も多いでしょう。
そんな経営者に対し、法人の審査に必要な書類とはなにか、法人カードの作り方について紹介いたします。
法人カードの審査に関する書類の揃え方や申し込み方法を解説していくので、法人カードを入手したい経営者は必見です。
※本ページにはPRが含まれます。
法人カード申し込みで必要な書類
法人カードの申し込みに必要な書類は、法人と個人事業主によって異なります。異なると言っても、提出しなければならない書類の数が変わるだけです。
その他に、法人と個人事業主と共通する必要書類と手続き方法は以下のとおりとなります。
- 法人カードの引き落とし口座も用意しておこう
- 法人で申し込む際は連帯保証人が必要
- オンライン申込時と現住所が違うときは補完書類が必要
その必要書類と手続き方法を次に挙げて、解説していきます。
法人の必要書類
法人の必要書類は以下のとおりです。
- 法人の本人確認書類
- 代表者の本人確認書類
法人の本人確認書類
法人の本人確認書類とは、法人そのものの本人確認書類であって、代表者の本人確認書類ではありません。法人の本人確認に有効な書類は以下のとおりです。
- 現在事項全部証明書
- 履歴事項全部証明書
- 登記簿謄本
※いずれも発行してから6ヶ月以内
全て揃えなくても、いずれかひとつで問題ありません。
登記簿謄本については、最寄りの法務局に申請することで発行してもらえるのですが、600円ほどの手数料が発生するのがデメリットです。
しかし、現在事項全部証明書と履歴事項全部証明書の準備が難しくなった場合は、登記簿謄本の提出が有効的となります。法務局に申請できれば、簡単に発行してもらえるからです。
代表者の本人確認書類
法人を経営する代表者の本人確認書類に有効的な書類は以下のとおりです。
- 顔つきマイナンバーカード(コピーのみ)
- 運転免許証(コピーのみ)
- 運転経歴証明書(コピーのみ)
- パスポート(写真や住所があるページ)
- 在留カード(住所変更があった場合は両面コピー)
- 特別永住者証明書(住所変更があった場合は両面コピー)
- 住民票の写し
- 健康保険証+現住所が確認できる補完書類
いずれかひとつとなるのですが、健康保険証の場合、健康保険証だけでなく、現住所が確認できる保管書類の提出(コピー)も求められます。現住所が確認できる保管書類について、有効な保管書類は以下のとおりです。
- 納税証明書(税金の領収書)
- 社会保険料または国民健康保険料の領収書
- 水道や電気やガスなどの公共料金の領収書
ただし、運転免許証を持っていない、パスポートを持っていないなどの経営者は少なからず存在します。その場合は住民票の写しが効率的かつ有効的と言えるでしょう。
顔つきマイナンバーカードに関しても、口座開設などの手続きにも有効的ですので、入手して保管しても損はありません。
個人事業主の必要書類
個人事業主の必要書類は本人確認書類だけです。
法人のように、現在事項全部証明書
や履歴事項全部証明書や登記簿謄本を用意する必要はありません。
なぜかというと、個人事業主は基本的に一人で事業を行っている立場であり、従業員はいないのです。
従業員がいたとしても、家族または身内が従業員であるのがほとんどであります。
それだったら法人カードはいらない、家族カードで事が足りるのではないかと思われがちですが、個人向けのクレジットカードはプライベート用を目的に向けられているのであって、事業用に向けられているわけではありません。
経費の仕訳など、経理業務の効率化を図るために、法人カードは欠かせないのです。
代表者の本人確認書類
個人事業主の代表者の本人確認書類について、有効的となる書類は以下のとおりです。
- 顔つきマイナンバーカード(コピーのみ)
- 運転免許証(コピーのみ)
- 運転経歴証明書(コピーのみ)
- パスポート(写真や住所があるページ)
- 在留カード(住所変更があった場合は両面コピー)
- 特別永住者証明書(住所変更があった場合は両面コピー)
- 住民票の写し
- 健康保険証+現住所が確認できる補完書類
法人代表者の本人確認書類と同じであります。
法人カードの引き落とし口座も用意しておこう
法人カードの引き落とし口座に関する必要書類とは、口座振替依頼書が挙げられます。
とはいえ、この書類は法人カードの発行会社から取り寄せられますし、インターネットで申し込んだ場合、カード会社によって不要な場合もあるのです。
法人カードの引き落とし口座はなにがいいのかと考える人はいますが、可能であれば、個人事業主は屋号付き口座、法人は法人口座を用意しましょう。事業を行う上で欠かせない口座で、経理業務にも役立てます。
しかし、個人事業主として活動し始めたばかりの人や、会社を設立して間もないという人にとっては、屋号付き口座または法人口座の取得は簡単ではありません。なぜなら、審査があるからです。
とはいえ、個人口座でも事業用として活用することができるので、事業に軌道が乗ってから申し込んでも遅くはありません。
法人で申し込む際は連帯保証人が必要
法人として法人カードの利用を申し込む際に、連帯保証人が必要になります。しかし、実質的に保証人および連帯保証人は不要となるのです。
会社経営者として法人カードを申し込む場合は通常、保証人が必要となるのですが、会社そのものが保証人になれます。連帯保証人も必要ですが、その連帯保証人を「会社経営者」にすることが可能です。
会社に何かあったときは会社経営者が全て責任を背負わなければならないという大きなデメリットやリスクがあるのですが、誰にも迷惑をかけることがないのがメリットであります。
無茶な経営をせず、堅実的に経営していけば、よほどのことがないかぎり負債を背負うことはほとんどありません。
なお、個人事業主はどうなのかといえば、法人カードの申し込みに連帯保証人は不要です。なぜかというと、個人事業主は基本的に事業を一人で行うのが基本で、会社という概念は存在していません。
会社がないので連帯保証人を立てる必要はないということです。単なる保証人については、個人事業主本人が保証人になればいいだけであります。個人事業主の場合でも、実質的に保証人は必要ありません。
オンライン申込時と現住所が違うときは補完書類が必要
インターネットで法人カード利用を申し込む場合、現住所が違うときは補完書類が必要となります。基本的に、オンライン申し込みフォームで記入した内容が、必要書類と一致していなければなりません。
しかし、現住所の所在地が異なる場合、補完書類が必要になるのですが、補完書類とはなにかと気になる人が多いと言っても過言ではありません。そこで、補完書類に該当する書類をまとめました。
- 定款に関する書類
- 事業報告書
- 有価証券報告書
定款に関する書類とは、法人の目的や活動、社長および従業員の数、事業内容などが網羅されている書類です。
どういった人達が法人の一員になっているのか、その目的や活動はなんなのか、携わっている事業はどのようなものかなどが記載されています。
事業報告書とは、事業年度ごとの事業に関する概況や財務などの状況をまとめた報告書です。
決算終了時に報告書がまとめられ、まとめられた報告書はパンフレットとして、株主や取引銀行に配布されます。配布の義務はないのですが、自社の状況を知ってもらうための情報開示でもあるのです。
有価証券報告書とは、企業の概況や事業内容、設備や財務などに関する情報をまとめた報告書であります。
上場企業が投資家に向けて発行される書類ですが、法律によって書類の公開が義務付けられているのです。
上場企業が法人カードを申し込む場合、定款に関する書類と事業報告書と有価証券報告書の提出は不要となっています。
法人カードを申し込む際の注意点
法人カードの申し込みに注意点があります。その注意点は色々あるのですが、よくある注意点を3つに絞り、まとめました。
- 申込書と本人確認書類は違う法人印鑑を押す
- 必要書類の有効期限に注意
- オンライン申し込みとの相違がないようにする
上記に挙げた3つの注意点を次に挙げて、解説していきます。
申込書と本人確認書類は違う法人印鑑を押す
申込書と本人確認書類は、同じ法人印鑑を使用しなければなりません。申込書と本人確認書類それぞれ違う法人印鑑を使用してしまうと、必要書類としての効力を失います。
対策としては、法人カードの申込書が到着するまでの間、本人確認書類と同じ法人印鑑を用意することです。
本人確認書類と法人印鑑を同じ場所に保管しておけば、間違いはほとんどないでしょう。
個人事業主は法人印鑑が存在しないので、個人事業主の人達は法人印鑑について気にしなくても問題ありません。
必要書類の有効期限に注意
必要書類の有効期限は、書類が発行してから6ヶ月以内となっているのが注意点です。この注意点を知らずに、有効期限が過ぎた書類を提出している法人および個人事業主の代表者は意外に多いです。
必要なときに書類を発行、取り寄せたほうが間違いないと言えるでしょう。
オンライン申し込みとの相違がないようにする
オンラインで申し込むとき、必要書類に記載されている情報を入力します。
しかし、申し込み時に記入した情報と、必要書類の情報に誤りがあれば、審査を受けられません。
オンラインで申し込むメリットは誤字脱字がほとんどないとされているのですが、キーボードのうち間違いというのがあります。手続きが完了する前に入力した情報を確認し、相違がなければ手続きを完了しましょう。
「オンライン申込時と現住所が違うときは補完書類が必要」という見出しでも説明していますが、現住所が異なる場合は補完書類が必要です。
オンラインで申し込むときに現住所と一致していれば補完書類は必要ありません。異なる場合は補完書類が必要であることを理解しましょう。
すぐ分かる!法人カードの作り方
必要書類ができたら、次は法人カードを作っていきます。法人カードの作り方には手順というのがあり、その手順を守る必要があるのです。
どのようにして手順を踏めばいいのか、次に挙げて内容を解説していきます。
オンラインから法人カードを申し込む
まずは利用したいカード会社のホームページにアクセスし、法人カードを選択します。カード会社にもよりますが、法人カードには種類があるのです。
年会費が安い一般ビジネスカード、年会費は多少高くなるが付帯サービスが充実しているゴールドカード、ゴールドカードよりステータスが高いプラチナカードなどが挙げられます。
単純にビジネスカードを持ちたいだけなら一般ビジネスカードがおすすめです。逆に海外出張および滞在が多いときは、プラチナカードが適しています。まとめると、自分のニーズに合ったものを選ぶべきだということです。
オンライン申し込みフォームに必要情報を入力し、手続きを終えた後、カード会社から申込書が現住所に郵送される手筈となっています。
申込書と必要書類を郵送する
オンラインでカード会社に法人カードの申し込み手続きを終えたら、カード会社から申込書が現住所に郵送されます。申込書が届いた後、その申込書に必要事項を記入するのですが、誤字脱字はなるべく避けるようにしましょう。
申込書に必要事項を記入し、捺印し終えた後、その申込書と必要書類と一緒に、カード会社に返送します。現住所が異なる場合は、補完書類と同封しなければなりません。
審査を受ける
返送された申込書と必要書類をもとに、カード会社は利用者に対して入会審査を行います。審査通過になったらカード発行になる一方、逆に審査通過ができなかったら、カード発行はかないません。
カード発行期間は審査状況によって異なるのですが、基本的に2~3週間と見ておくと良いでしょう。即日発行はできないのかと考える人はいますが、全ての法人カードは即日発行に対応していません。
法人カードの受け取り方法については、カード会社によって異なります。簡易書留で郵送するカード会社があれば、本人限定受取で郵送するカード会社もあるのですが、ほとんどが本人限定受取で郵送されるのです。
本人限定受取で郵送されたカードは、例え家族でも本人でなければ受け取れないので、必ず申込者本人が受け取るようにしましょう。法人カードを受け取ったとき、手続きはこれで終了となります。