生活保護を受けている方は、基本的にクレジットカードの審査を通過することができません。
正確には審査に通過できないのではなく、生活保護を受けているのが分かった時点で審査対象外になってしまいます。
でも、できるなら買い物で現金を持ち歩きたくないですよね。ポイントだって貯めたいはずです。
生活保護を受けている方は、クレジットカードを持つことはできませんが、代わりにデビットカードを持つことで、現金を持ち歩かずに済みます。
ここでは、生活保護受給者がクレジットカードの審査に通過できない理由と、代わりに持つことができるデビットカードについて紹介していきます。
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生活保護受給者がクレジットカードを作れない理由
生活保護者がクレジットカードを作れない理由は、申し込み条件を満たしていないからです。
クレジットカードの申し込み資格は満18歳以上、20歳以上などの年齢条件のほかに、「安定した収入があること」が重要です。
例え申し込み条件に収入についての記載がなかったとしても、安定収入はすべてのクレジットカードに共通する条件です。
生活保護は国からの援助であり、安定した収入とは認められません。これが申し込み条件を満たしていない生活保護受給者がクレジットカードを作れない理由です。
生活保護受給者になる前のクレジットカードは利用可能だけど…
生活保護を付ける前に持っていたクレジットカードは利用はできます。生活保護を受給していてもカード会社からのカード返還を求められることはないからです。
利用自体は可能ですが、クレジットカードを使っていることが役所にバレた場合、生活保護の受給を止められる恐れがあります。
生活保護を受ける前にクレジットカードの所持の有無を確認されているはずです。カードが使えないことを前提に生活保護を受けているので、カードを利用していることが分かった時点で、虚偽報告をしていることになります。
カードの審査で生活保護受給がばれるわけではない
生活保護受給者が審査に通らない理由は、「生活保護を受けているから」ではありません。
あくまで申し込み情報から「収入が少ない」と判断されるため、審査に落ちるだけです。クレジットカードの審査は個人信用情報機関に記録されているカードの情報を元に審査をしています。
自己破産などの金融事故を起こすと、個人信用情報機関に登録されている情報はすべて消え、カード会社にも伝わってしまいます。
また、自己破産や個人再生は国が発行している「官報」に登録されるため、金融事故を起こす=カードの審査に落ちると考えていいでしょう。
しかし、生活保護を受けている方は自立後の生活にも影響があるので、カード会社に情報がバレることはありません。申し込み者本人が申告しない限り、カード会社は申し込み者が生活保護を受けているか分かることはありません。
あくまで、収入がカード会社の審査基準に満たないため審査に通らないのです。
カード会社からみれば生活保護者は無職
クレジットカード会社からすれば、生活保護者は無職にあたります。無職は収入がないので、審査対象外です。
また、アルバイト・パートをしていでも月に数万円程度しか収入がないので、返済能力があるとはみなされません。
働いていなくて、架空の勤務先を書いても電話による在籍確認で虚偽報告だとばれてしまいます。
個人信用情報を照会すれば金融事故が発覚する
生活保護を受けるようになった理由はさまざまだと思いますが、中でも多いのは「自己破産」などの金融トラブルではないでしょうか。
過去にクレジットカードの延滞・滞納・自己破産・債務整理を行っていると、個人信用情報機関に記録が残ります。債務整理の経験がある方はまず審査に通りません。
5年から10年経てば個人信用情報機関にあった情報はすべて消去されます。しかし、全く記録がない状態だと、カード会社は真っ先に自己破産経験があると疑います。
収入の面からも、信用情報の面からも、生活保護受給者がクレジットカードを作れることはありません。
生活保護受給者はパート・アルバイトをしていも収入が不十分
生活保護受給者の中には、パート・アルバイトで多少の収入を得ている方もいるでしょう。
生活保護を受けるには、各地域で定められた最低生活費基準額を下回る収入でなければいけません。そのため、パート・アルバイトを行っても月の収入です。
クレジットカードの審査を通過するには、少なくとも年収150万円、月の収入で言うと12万円ほどが必要になります。
生活保護を受けている状態でアルバイト・パートで月に数十万円の収入を得ることは不可能です。(その具ぐらいの額が稼げるなら生活保護の対象外になります)
生活保護受給者はデビットカードがおすすめ
生活保護受給者は収入が少ないため、クレジットカードを作ることができません。でも買い物のたびに現金を下ろして持ち歩くのは不便ですよね。
そんな方はクレジットカードではなく、デビットカードの作成を検討してみましょう。
デビットカードは利用した代金が銀行口座からその場で引き落とされるカードです。クレジットカードは後払いなので、貸し倒れリスクを防ぐために審査が必要ですが、デビットカードはその場引き落とし、つまり現金と同じ扱いになるので、審査が不要になってきます。
審査がいらないので、申し込めば誰でも作ることが可能です。デビットカードは国際ブランドのVISA・JCBが利用できるので、ほぼすべてのお店で利用ができます。ネットショッピングも可能ですよ。
楽天銀行デビットカード
デビットカードの中でも特におすすめなのが、楽天銀行デビットカードです。デビットカードは基本的な還元率が悪く、0.2%~0.5%のカードがほとんどですが、楽天銀行デビットカードは還元率が1.0%です。
100円で1ポイントが貯まる「楽天カード」と還元率は変わりません。貯まったポイントは1ポイント=1円として利用できるので、貯まったポイントを節約に利用できます。
三菱UFJデビットカード
三菱UFJデビットカードは三菱UFJ銀行が発行するデビットカードです。デビットカードなので審査が必要なく、年金受給者の方でも審査に通ることができます。
年会費は初年年度無料、2年目以降は1080円かかりますが、年間に10万円以上利用すれば2年目以降の年会費も無料にあります。
JCBブランドであれば海外旅行保険・国内旅行保険が付帯します。保険がついたクレレジットカードが作れない年金受給者の方におすすめです。
JNB Visaデビットカード
JNB Visaデビットカードはジャパンネット銀行が発行するVISAデビットカードです。年会費・発行手数料は無料で、15歳以上であればだれでも利用が可能です。
JNB VISAデビットカードを申し込むには、ジャパンネット銀行の開設が必要になりますが、ネット上で簡単に解説できますよ。
カードの還元率は0.2%と低めのカードですが、ずっと現金で支払うよりはお得になります。
デビットカードを持つときの2つの注意点
生活保護受給者が持てるデビットカードは審査不要で持つことができます。しかし、デビットカードを作れば何でも買ってOKというわけではありません。
キャッシングやリボ払いはできない
クレジットカードはショッピング利用のときに支払方法を「一括払い」「リボ払い」「分割払い」などの支払い方法を選択することができます。
この支払い方法は利用者の信用情報があるからできる支払い方法です。利用者が払ってくれる見込みがないとお金を貸したくないですよね。
しかし、デビットカードは審査をせずカードを発行しています。つまり現金と使い方しかできないので、利用代金はその場で一括引き落としされます。
銀行口座にお金がなくても支払えるクレジットカードと違って、デビットカードはキャッシングやリボ払いができないと覚えておきましょう。
贅沢品やブランドものを買うと生活保護が止まる可能性がある
生活保護の目的は以下のように定義されています。
生活保護制度は、生活に困窮する方に対し、その困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障するとともに、自立を助長することを目的としています。
—引用:厚生労働省の生活保護制度の趣旨(URL:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/seikatsuhogo/seikatuhogo/index.html)
この「健康で文化的な最低限の生活」の定義については曖昧であり、議論がされている点でもありますが、少なくともブランドバッグは最低限の生活に必要なものではないでしょう。
本来生活保護は生活費以外のお金は支給されないので、ブランドやぜいたく品を買う余裕はないはずなのです。
そのため、デビットカードを使ってブランド品や高級なお酒などのぜいたく品を購入した場合、生活保護の受給が止まる恐れがあります。
個人信用情報には残りませんが、ケースワーカーが家庭訪問をした際にぜいたく品を買っていることが分かれば当然指摘されます、
生活保護の不正受給は全国で厳しく取り締まっているため、最悪の場合、デビットカードの明細の提出を求められてしまいます。
デビットカードを持っているからといって、なんでも購入できるわけではないので注意しましょう。
健康で文化的な最低限の生活の定義とは
最低限の生活とっても具体的にイメージがしにくいですよね。生活保護者へ支給することを「扶助」と呼び、厚生労働省では生活を営む上で必要な費用は以下のように定められています。
扶助の種類 | 扶助の内容 |
---|---|
生活扶助 | 食費・被服費・光熱費など日常生活に必要な費用 |
住宅扶助 | 住む場所(アパートなど)の家賃 |
教育扶助 | 義務教育を受けるための学用品 |
医療扶助 | 医療サービスを受けるための費用 |
介護扶助 | 介護サービスを受けるために必要な費用 |
出産扶助 | 出産に必要な費用 |
生業扶助 | 就労に必要な技術や資格を習得するのにかかる費用 |
葬祭扶助 | 葬祭をするのにかかる費用 |
生活保護は上記の8種類が支給対象で、現金で支給されます。現金で支給された範囲内で生活することが基本になります。
生活保護で余ったお金は貯金できない
生活保護は食費・被服費・医療費が支給され、かなり充実しているように見えますよね。月々に少額の貯金をすることも難しくなさそうです。
しかし、生活保護はあくまで健康で文化的な最低限度の生活を保障するものであって、豊かな生活をするためのお金ではありません。
貯金は生活に余裕があるからできる行為です。もし貯金していることが判明した場合は生活保護の額から貯金の額が差し引かれます。
生活保護法では生活保護受給者には、以下の5つの義務が記載されています。
- 譲渡禁止…受給額は他人に譲渡できない
- 生活上の義務…勤労・節約を行うなど、生活の維持や向上に努めること
- 届出の義務…収支・支出などの状況が変わった場合はすぐに申し出ること
- 指示等に従う義務…生活保護に関する指示や指導には従うこと
- 費用返還義務…生活費に使えるお金があったにもかかわらず、生活保護を受けた場合は、相当する金額の範囲で定められた金額を返還すること
生活保護はあくまで一時的に援助するものです。
できるかぎり、勤労して安定収入を目指すことが義務化されています。
貯金に回せるだけのお金がある場合、「生活保護の必要なし」とみなされますので、貯金はできません。
クレジットカードを作りたいなら生活保護から脱却しよう
生活保護受給者がクレジットカードを作るには生活保護から抜け出すしか方法はありません。
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生活保護から抜け出したあとは、アルバイト・パートをして安定収入を得れば、クレジットカードの審査に通過できる可能性があります。