私には、リボ払いを使い続けてクレジットカード使えなくなった経験があります。
理由は副業で失敗したからです。
そのときの私は、工場勤務の派遣社員として働いていましたが、収入が不安定でした。
仕事が忙しいときは手取りで18万円の月収がありましたが、暇なときは13万円ほど。
そこで、収入を増やすために休みの日に副業をすることにしました。
私がはじめた副業は、中古CDやDVDの転売(せどりともいいます)。
商品を仕入れるためにクレジットカードを使ったのが、リボ払いのきっかけでした。
思ったよりもうまくいかずにリボ払いの支払いは増え続けるばかり…。
なぜ、このようなことになったのか?
リボ払いを使い続ける怖さについて私の体験談を交えて解説します。
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リボ払いのやばい体験談
副業がきっかけでリボ払いを使ってしまった
私がリボ払いを使い始めたきっかけは副業で「せどり」を始めたことです。
せどりとは安く購入した商品を高く売って利益を出す副業。いわゆる転売です。
ブックオフなどのリサイクルショップに行って、中古のCDやDVDを購入(仕入れ)してAmazonマーケットプレイスやヤフーオークションで販売していました。
ちなみに、950円で購入したCDがAmazonで2,000で売れれば、500円くらいの利益になります。
私の場合は薄利多売でしたので、利益を出すために多くの仕入れが必要でした。
例えば、5万円の利益を出すためには、少なくともCDを100枚購入する必要があります。そのために必要な仕入れ資金は10万円ほど。
手元に現金がないので商品を購入するためにクレジットカードを使っていました。
せどりを始めたころは慎重に利益が出る確率が高い商品を仕入れていました。
しかし、もっと多くの利益が欲しいと思うようになり仕入れを増やした結果、売れない商品や売れるまで時間がかかる商品が増えていきました。
仕入れをした商品がすぐに売れなければ、現金は入ってきません。
そのため、仕入れに使ったクレジットカードの支払いができない事態になりました。
このピンチを回避するために利用したのが「リボ払い」でした。
初めてリボ払いを利用した金額は5万円
5万円支払うべきところが、支払いが1万円と数百円の手数料で済んだとき、リボ払いは便利な機能だと思いました。
これでどんどん仕入れができる、支払いに困ったらリボにすれば大丈夫だと安心感がありました。
この安心感がリボ払いの怖いところだと知るのは数か月経ってからです。
気づいたらリボ残高が限度額の70万円に
10万円使ってCDやDVDの仕入れをしても、次のクレジットカードの支払いまでに回収できる金額は半分の5万円くらいです。
残り5万円分の商品は売れるまで2か月3か月、それどころか全く売れない商品もありました。
カード会社から10万円の請求がありましたが、支払いに充てられる現金は5万円なので、残り5万円分はリボ払いにしていました。
カード会社から請求がきたら、会員サイトで利用明細を確認しながら、支払いできない分はリボ払いにすることが1年ほど続きました。
その結果、リボ残高が1年間で70万円に達しました。70万円は私が使っていたクレジットカードのリボ払い限度額でした。
限度額に達してしまい、仕入れに使うクレジットカードが利用できなくなり、私はせどりをやめました。
クレジットカードはあと2枚あったため、残りのカードを使ってせどりを続けることも考えましたが、またリボ払いにして残高が増えていくことを想像して怖くなり、続けることはできないと判断しました。
本来であれば
- 商品が思ったように売れない
- 資金の回収ができない
- リボ払いにする
こんな悪循環が続いたとき、せどりという副業はうまくいっていないと気付くべきでした。
ところが、今はいろいろと試している段階で、在庫も増やす必要がある、そのうちうまくいってリボ残高なんて一気に返せると思い込んでいました。
それに商品が売れたときうれしかった感情が忘れられなくて、せどりをなかなかやめられなかったのです。
工場の仕事はつらかったし、せどりで稼いで本業をやめてやるという思いも強くありました。
実際にせどりで会社を辞めて独立している人も知っていたから、私も独立したい願望がありました。
リボ払いの仕組みは後から知った
私はリボ払いの仕組みを知らずに利用していました。
とにかく、リボ払いに変更すれば毎月の支払いが楽になる良い機能だと思っていました。
払いきれなかった分はどうなっているのかなんて考えもしませんでした。
リボ残高が70万円に達したとき、ようやくリボ払いの仕組みを理解しました。
- リボ払いは毎月設定した金額を支払い、残高に対して手数料がかかる仕組み
- 毎月の支払額は、設定金額+手数料
- リボ払いを続ければリボ残高は増え続け、手数料も恐ろしい金額になる
さらに、リボ払いを詳しく理解しておくべきキーワードは次の3つです。
- 設定金額
- リボ残高
- 手数料
設定金額とは?
設定金額とは毎月返済する金額です。
リボ払いは毎月返済する金額をあなた状況に応じて自由に決めることができ、設定した金額はリボ残高の返済に充てられます。
(注意:カード会社によって最小の設定金額など設定金額の条件があるため確認は必要です)
ちなみに、設定金額が大きければ返済は早く終わり、逆に設定金額が小さければ返済は長期化します。
私は毎月1万円ずつ支払いをするように設定していました。
リボ残高とは?
リボ残高とはリボ払いを利用した額で、まだ返済していない金額のことです。
リボ残高は毎月支払いを滞りなくしていれば、減っていきます。
例えば毎月1万円の支払い設定にして、5万円分をリボ払いにした場合、本来なら順調にリボ残高も減っていきます。
設定金額(返済額) | 利用額 | リボ残高 | |
---|---|---|---|
1か月目 | 1万円 | 5万円 | 4万円 |
2か月目 | 1万円 | 0万円 | 3万円 |
3か月 | 1万円 | 0万円 | 2万円 |
このように毎月設定した金額を支払っていけば、順調にリボ残高は減っていきます。
しかし、リボ残高があるのにも関わらず、またリボ払い利用すれば、リボ残高は増えていきます。
このような利用方法をしていたのが私でした。
1か月平均すると5万円ずつリボ払いを利用していたから、残高は減ることなく増える一方。
返済額 | 利用額 | リボ残高 | |
---|---|---|---|
1か月目 | 1万円 | 5万円 | 4万円 |
2か月目 | 1万円 | 5万円 | 8万円 |
3か月目 | 1万円 | 5万円 | 12万円 |
4か月目 | 1万円 | 5万円 | 16万円 |
5か月目 | 1万円 | 10万円 | 25万円 |
表にするとこのようなイメージです。
たまに、思い切った仕入れをして売れ残ってしまい、一気に10万円くらいリボ払いを利用したことがありました。
売れれば2万円以上の利益が出ると思って、4万円のDVDボックスを2つ仕入れたこともありましたが、結局売れるまでに半年以上かかり、仕入れ資金8万円はリボ払いになりました。
このようなことが続けば、表のようにリボ残高は一気に増えます。
リボ払いを繰り返し利用していると、リボ残高を把握していないこともあるので要注意です。
私は残高が増えても見て見ぬふりをして、返済は何とかなるだろうと軽く考えていました。
手数料とは?
「手数料」とはリボ残高に対してクレジットカード会社に支払うお金です。
会社によって多少の違いがありますが、年率15%前後。借金の利息と考え方はほぼ同じです。
手数料はリボ残高が増えるほど多く支払う必要がありますが、リボ残高が少ないうちは負担をあまり感じません。
私が初めて5万円をリボ払いにしたときの手数料は625円でした。
15%を12で割っているのは一ヶ月あたりの手数料率にするためです。
「手数料なんて大したことないな」と思ってリボ払いを繰り返し利用していました。
しかし、残高が10万円、30万円、50万円と増えていくと一度に支払う手数料が大きな額になっていきました。
リボ残高 | 手数料 | その月の返済額 |
---|---|---|
10万円 | 1,374円 | 11,374円 |
30万円 | 3,874円 | 13,874円 |
50万円 | 6,374円 | 16,374円 |
※元金均等 年率手数料:15% 設定金額1万円の場合
私は手数料の負担が増大していると感じながらも、70万円に達するまでリボ払いを続けていました。
リボ残高が限度額の70万円に達したとき、せどりを続けるのはやめようと決意。
70万円をゼロにするために、あといくら手数料を支払う必要があるのか計算してみました。
すると、総額30万円以上も手数料を支払う必要があることが分かりました。
リボ残高 | 70万円 |
---|---|
手数料 | 年率15% |
支払い期間 | 5年10ヶ月(70回) |
手数料総額 | 310,579円 |
返済総額 | 1,010,579円 |
※元金均等 年率手数料:15% 設定金額1万円の場合
この結果を知って「自分はなんてばかなことをしたんだ…」とようやく気付くことに。
こんなことになると分かっていれば、リボ払いは利用していなかったと思います。
クレジットカードではなく、手持ちの現金だけでせどりをやっておけば良かったと後悔しました。
売り上げを大きく伸ばしたい、独立したいと欲張った結果がこれでした。
リボ払いの手数料は、長期的にみると本当に負担額が大きいので、甘く思わないほうがいいです。
リボ払いが「やばい」と感じた5つの理由
私がリボ払いを体験した後に、やばいと感じたのは次の5つです。
- 「借金だ」という感覚がない
- 簡単にできてしまう
- 支払いが楽になるという錯覚
- 支払いが長期化する
- 自分を正当化してしまう
それぞれを詳しく説明します。
「借金だ」という感覚がない
リボ払いは手数料を払ってカード会社にお金を立て替えてもらっているので、借金とほぼ同じです。
しかし、借金の感覚がありません。
クレジットカードを作るときは収入や職業などの審査がありますが、リボ払いを利用するときは審査などありませんし、借用書を書くこともありません。
もし、私がせどりの資金を銀行などで融資してもらおうとしたら、絶対に無理でしょう。
実績がない人に銀行が貸してくれるわけありません。
カードローンは収入の審査もあるし、職場へ在籍確認などもあるから、利用しづらかったです。
ところが、リボ払いは借金と違って抵抗なくできてしまうからやばいです。
簡単にできてしまう
リボ払いは簡単にできます。
お店のレジで「リボ払いで」と言ってしまえばリボ払いが簡単にできてしまうのです。
または、インターネットでクレジットカードの利用明細をみながら、リボ払いにしたいところにチェックを入れるだけ。
これは「あとリボ」という方法で、私はよく利用していました。
5分ほどでできるし、「本当にリボ払いにしていいですか?」など確認されることもないからやばいです。
支払いが楽になる感覚
「今月も支払いがやばいな・・・あとリボにしよう」と思ってパソコンで手続きしていました。
その後メールで「今月の支払いは○○円です」と楽になった支払い金額を確認して安心していました。
「支払いが楽になる感覚」はクセになりやすいです。
クレジットカードの支払いが厳しいときは、「リボ払いにすればいいや」と感じるようになります。
今思えば、かなりやばい感覚でした。
支払いが長期化する
私はリボ払いをしても今回だけで、すぐに返せるだろうと思っていました。
ところが、1度利用したリボ払いは2度3度と繰り返し利用するようになりました。
リボ払いは、どこかでリボ払いの利用をやめて返済だけをする、まとめて一気にリボ残高を返済する必要があります。
そうしないと、長期にわたってリボ残高が残り続け、手数料を支払い続けることになります。
リボ払いは何度も利用すると残高が増え続け、長期化するどころか終わりが見えなくなります。
自分を正当化してしまう
「自分の収入をあげるためにせどりをやっているのだから、リボ払いを利用してもやむを得ない」と自分を正当化していました。
正しいことにお金を使っているのだから、多少リボ払いで負債が増えていいだろうと思っていました。
しかし、どんな理由でもリボ払いは自分自身をコントロールする意思が強くないと、金銭感覚が狂う原因にもなります。
ギャンブルや買い物、遊んだお金が払えなくてリボ払いを利用する可能性もあります。
自分は絶対に大丈夫と思っていても「リボ払い」はやばい
リボ払いで一番怖いと思ったのは、やめたくてもやめられなかったことです。
私はリボ払いがやめらず、限度額まで達してしまい、ここでようやくリボ払いの恐ろしさを知ってやめました。
70万円のリボ残高は、赤字覚悟で商品の在庫を売ってお金を作ったり、生活費を削って返済に充てたりして3年ほどで返済することができました。
しかし、返済している3年間はお金に余裕がない生活続きました。
友人からの遊びの誘いもお金がないから断り続けて、今では誰からも誘われなくなりました。
いろいろと犠牲にすることも多かった返済期間でした。
最初は大丈夫だと思っていても、クセになりやすいのがリボ払いです。
あなたが思う以上にリボ払いの誘惑を断ち切るのは難しいです。
本当にリボ払いを使うべきなのかよく考えてみましょう。