クレジットカードに入会するときには審査を受けますが、審査は入会時だけないことをご存知でしょうか?
「長年使ってきたカードは突然使えなくなってしまった」
「理由を知らされずにカードが強制解約されてしまった」
「ショッピング枠・キャッシング枠の利用限度額がいきなり下がった」
これらのトラブルはすべてクレジットカードの途上与信(中間審査)が原因です。途上与信で入会後も定期的に審査が行われることによって、カードがいきなり利用できなくなってしまいます。
ここではなぜ途上与信が必要なのか?途上与信に引っかかってしまうポイントについてご紹介します。
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途上与信=カード利用中に行われる審査のこと
途上とは「目的地までの過程」を指し、与信とは「相手を信用して金銭を貸与すること」を指します。
つまり、途上与信とはクレジットカード利用中に行われる審査のことでです。
クレジットカードは入会時だけでなく、カードの利用中も「カードの利用者はお金を貸していい人物かどうか」を審査しています。
途上与信では
- カードの利用状況に問題がないか
- 他のクレジットカード・カードローンの利用歴に問題がないか
などを審査し、利用限度額の増額や減額または解約や利用停止をするかを判断しています。
途上与信は状況の変化に対応するために必要
入会時も審査したのに、カード利用中も審査をするの?と疑問に思う方もいるでしょう。
実は途上与信は申し込み時の状況と現在の状況の変化に対応するために行われています。
例えば、カードの申し込み時に年収が550万円あったAさんが、転職によって年収300万円になってしまったとします。
申し込み当初は年収が550万円あったので、クレジットカードで年に400万円の決済があっても収入の範囲内です。
しかし転職後は年収が300万円になってしまったためにクレジットカードで400万円使ってしまうと100万円の赤字です。
100万円を補うために消費者金融からお金を借りている可能性も考えられます。
こんな状況をカード会社が放っておくと、立て替えた分を回収できず、貸し倒れになる可能性もあります。
カード会社は貸し倒れのリスクを回避するために、利用者の途上与信を行っているのです。
キャッシング利用すると法定途上与信が行われる
カードの利用中に行われる審査には「途上与信」と「法定途上与信」の2種類があります。
途上与信はカード会社が任意のタイミングで行いますが、法定途上与信は「貸金業法」という法律によって審査があるタイミングが決まっています。
決められた額の中で回数制限なく借入ができるカードローンのようなシステムを「包括契約」と呼びますが、この包括契約には法定途上与信が日務付けられています。
包括契約で法定途上与信が義務付けられている条件は以下の通りです。
- 1か月の貸付合計額が5万円以上
- 貸付残高が10万円以上
- 借入残高が10万円以上
クレジットカードやカードローンで10万円以上借入した場合は、少なくとも3ヵ月に1回は途上与信が行われると考えていいでしょう。
途上与信はどのタイミングで行われる?
途上与信は法定途上与信と違って、与信をするタイミングが法律で決められていません。
そのため途上与信を行うタイミングはカード会社によって異なります。どのタイミングで途上与信が行われるかは分からないので、100%の対策を行うのは不可能です。
しかし、途上与信が行われる可能性が高い行動は分かります。
- 収入に対してカード利用額が多い
- キャッシングの利用頻度が高い
- キャッシングの利用額が高い
- 収入が下がった
- カード料金の支払い遅延・延滞がある
収入に対してカード利用額が多かったり、キャッシングの利用頻度・利用額が多い方は、カード会社から「お金に困っている人物なのか…」という疑いを持たれます。
カード利用に支払い遅延・延滞がある場合は、支払えない状況=お金に余裕がないこと決定なので、途上与信が行われる可能性が非常に高いです。
カードの数日の遅延やキャッシングの利用頻度が多い方は、途上与信で引っかかることのないように、カードの利用状況を見直しましょう。
クレジットカードの途上与信に引っかかると利用停止や強制解約の恐れ
クレジットカードの途上与信に引っかかってしまうと以下のリスクがあります。
- ショッピング枠利用限度額の減額
- キャッシング枠利用限度額の減額
- クレジットカードの利用停止
- クレジットカードの強制解約
クレジットカードの支払いが滞っていたり、キャッシング枠の利用頻度が多い人に対して、多額の限度額を設定できているのは、カード会社にとって不安です。
多額のお金を立て替えてしまうと、回収できなかった時に損失が大きいためです。
そのため、ショッピング枠やキャッシング枠の利用限度額を減額します。反対にカードの利用状況がいいと利用限度額はあがります。
また、クレジットカードの遅延が著しい場合にはカードが強制解約になってしまう可能性もあります。
強制解約されるリスク
カードは強制解約になってしまうと、そのクレジットカードが使えなくなってしまうどころか他のクレジットカードの新規審査にも通りにくくなってしまいます。
クレジットカードやカードローンの利用状況は個人信用情報機関に記録されます。個人信用情報機関に登録された内容は途上与信はもちろん、新規カードの審査の際にもチェックされます。
強制解約の事実は信用情報にネガティブ情報として記録されてしまうため、他のカードの審査にも通りにくくなってしまいます。
強制解約になるといいことがないので、日ごろのカードの利用には注意しましょう。
クレジットカードが利用停止になってしまったら未払いがないかチェック!
途上与信に引っかかることで起こる最悪のシナリオはカードの強制解約ですが、その一歩手前がクレジットカードの利用停止です。
クレジットカードが急に利用できなくなってしまった方は、過去3ヵ月以内にカード支払いの遅延や延滞がなかったか確認しましょう。
強制解約ではなく、カードは利用停止になっている場合、未払い分を支払うことで再びカードが利用できるようになります。
急にカードが使えなくなってしまったら、カード会社に連絡して自分のステータスが利用停止になっているか解約になっているか確認しましょう。
途上与信で見られるポイントは?
途上与信では、申し込み時と経済状況が変わっていないか、カードの利用状況は適切かどうかチェックされます。
途上与信が心配な方は以下の項目に注意することで、途上審査落ちを防げますよ。
支払い状況・利用履歴
カード会社はカード利用者の支払い状況と利用履歴を見て、返済能力があるかを確認します。
以下に当てはまる方は信用能力がないと判断されて審査落ちしてしまうので注意しましょう。
- カード料金の支払い遅延・延滞がある
- 年収に対してカード利用額が多い
- 他社のクレジットカードの利用が多い
現在の借入状況と借入残高
個人の金融機関の情報が記録されている個人信用情報機関には、カードローンの利用の記録や、クレジットカードキャッシングの利用状況も記録されています。
他社から多額のお金を借りていれば借りているほど、お金に困っている人と判断されるため、途上審査落ちのリスクが高まります。
また、クレジットカードのキャッシング枠は、借入は収入の3分の1までという「総量規制」の対象になっています。
借入が年収に対して多かったり、複数社からお金を借りていると途上与信で審査落ちしやすくなります。
在籍確認は基本的になし
クレジットカードに入会する際に30%~40%の確率で電話による在籍確認が行われますが、途上与信には基本的に在籍確認はありません。
新規入会時には、申し込み者が本当に勤務しているかどうか確かめるために在籍確認が必要でしたが、個人信用情報機関に問い合わせれば、転職したことも分かります。
また、クレジットカードは1人あたり2~3枚ほど所持していることもあるため、1件1件電話で確認するとなると人件費も時間もかかります。
わざわざ勤務先に問い合わせる必要はないため、途上与信で在籍確認は基本的にありません。
途上与信された?確認するには個人信用情報期間の情報をチェック
クレジットカードが急に使えなくなった原因が途上与信なのか、いつごろ途上与信がされたのかは自分で確かめることができます。
個人信用情報機関のCICやKSCなどに情報開示請求をすれば、途上与信をされたのかどうか簡単に確認することができます。
またカードの延滞や遅延によってブラックリスト入りしてしまっているのかも確認ができます。
もしブラック状態になっている場合は、返済状況の欄に「異動」と記載され、異動日(ブラックリスト入りしてしまった日)も知ることができます。
途上与信された場合は、利用記録の利用目的の欄に「途上与信」と記録されます。いつ途上与信が行われたのかを知ることができます。
法定途上与信でなく、通常の途上与信が行われた場合は「途上与信(法廷途上以外)」と記載されます。
個人信用情報機関の照会方法やかかる費用について知りたい方は、こちらの記事を参考にしてみてください。
審査が甘い=途上与信が多い可能性がある
クレジットカードに入会するには、最初の審査を突破する必要がありますが、カードの中には審査が甘いカードもあります。
最初の審査が甘めのクレジットカードは、途上与信が多い傾向にあります。
最初の開口を広くし、途上与信によって問題のある利用者を振るい落とすことが狙いです。
通常、途上与信は年に1回程度ですが、楽天カードやアメリカン・エキスプレス・カードは3ヵ月に1回ほどの頻度で途上与信が行われています。
ただ、途上与信の頻度が多いといっても特別な対策をする必要はありません。通常のクレジットカードと同じようにカードの支払い遅延・延滞に注意していれば、問題はありません。
申込時に審査が甘いカードを探している方におすすめです。
楽天カード
楽天カード
カード年会費 | 永年無料 |
---|---|
ETC年会費 | 540円 |
ETC発行手数料 | 無料 |
還元率 | 1.0% |
電子マネー | |
申し込み資格 | 満18歳以上 |
- 還元率が常に1.0%以上
- 楽天市場でポイント還元率3.0%以上
- カード年会費無料
楽天カードは申し込み資格が「満18歳以上の方」のため、アルバイトやパート・学生・専業主婦でも審査に通りやすいカードです。
楽天カードは通常還元率が1.0%で楽天市場で常に3.0%以上と高還元率を誇ります。
貯めたポイントは1ポイント=1円でカードの値引きや楽天市場・楽天トラベル代として使える他、街中のお店で会計時に利用もできます。
ポイントが貯めやすいカードが欲しい方におすすめです。
ただ、楽天カードは審査に通りやすい分、途上与信に厳しいと評判があります。
支払いの遅延をしていないのに、キャッシング枠を申し込んだだけでいきなり強制解約された例もあります。
アメリカン・エキスプレス・カード
アメリカン・エキスプレス・カード
カード年会費 | 12,000円+税 |
---|---|
ETC年会費 | 無料 |
ETC発行手数料 | 850円+税 |
還元率 | 0.5% |
電子マネー | — |
- プライオリティパスに年会費無料で登録可能
- 国内外の空港ラウンジ無料!同伴者も1名無料
- 最高5000万円の海外旅行傷害保険!
アメリカン・エキスプレス・カードは通常アメックスカード、アメックスグリーンとも呼ばれます。
アメックスというと審査が難しい・ステータス性が高いというイメージがあります。
たしかに学生やアルバイトの方では収入的に厳しいかもしれませんが、ある程度の収入のある社会人の方なら審査に通る可能性は十分にあります。
また、アメックスカードは外資系のクレジットカードであり、日本のクレジットカードと審査基準が若干異なっています。
通常であれば過去にブラックリスト入りしている方は審査に通りにくくなってしまうのですが、外資系のアメックスカードは過去に延滞歴があった方でも審査に通る可能性があります。
特にアメックス・グリーンはアメックスカードの中で1番年会費が安く、審査基準も易しめです。
また過去にブラック歴があってカードの審査が不安な方はこちらをご覧ください。
途上与信はクレジットカードの延滞・遅延がなければ怖くない
クレジットカード会社は、貸し倒れのリスクを少しでも避けるために途上与信(法定途上与信)を行っています。
途上与信で見られるポイントはカードの利用状況や借入状況です。
与信に引っかかると利用限度額の減額やカードの利用停止・強制解約の恐れがあるため、普段からクレジットカードの支払い遅延・延滞は避けましょう。