東晶貿易株式会社が運営するクレジットカード比較Plus(https://crecard-plus.com/)は20歳~59歳の男女479人に「クレジットカードの利用制限がある飲食店に関するアンケート」を実施しました。
調査の結果、クレジットカードの利用制限のあるお店は、今後の印象が悪くなることが分かりました。
実はクレジットカードの利用制限はカード会社の利用規約にあたります。何気に使っているクレジットカードですが、これを機会に利用規約についての知識について知っておくのもいいかもしれません
■調査結果の概要
- 全体の40%がクレジットカード払い可の飲食店で利用制限を見たことがあった
- 利用制限を見たことがある人の中で1番多かったのは「現金払いのお願い」
- 全体の9割が「利用制限が規約違反だと知らない」と回答
- 利用制限があるおお店について69%の人が「悪くなる」、15%の人が「今後使わない」と回答し、ネガティブな印象を受ける人は80%以上
■調査概要
アンケート内容 | クレジットカードの利用制限がある飲食店に関するアンケート |
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調査期間 | 2020年7月13日~2020年7月15日 |
調査対象 | 全国にお住まいの20歳~59歳の男女479人 |
調査エリア | 全国 |
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全体の約40%が利用制限のある飲食店に出会ったことがある
全国にお住まいの20歳~59歳の男女に「クレジットカードの利用制限のある飲食店に出会ったことがありますか?」と質問したところ、出会ったことがあると答えた人は全体の40%を占めました。
利用制限のある飲食店に出会ったことがある人は「現金払いのお願い」が28%と最も多く、その他には「ランチは利用不可」「少額払いは禁止」「手数料を上乗せ」などの制限があったと回答しています。
皆様の中にも「クレジットカードの利用は1,000円以上の場合のみ」や「ランチはクレジットカード不可」の張り紙を見たことがある人がいるのではないでしょうか。
また飲食店に限らず、美容室なども「クレジットカード払いは手数料が別途必要」という店舗を見かけることもあります。
チェーン店にはこういった利用制限があるお店は少ないですが、個人で経営しているお店の中には利用制限があるお店もあるようです。
全体の9割が「利用制限が規約違反だと知らない」
全国にお住まいの20歳~59歳の男女に「クレジットカードの利用制限はカード会社の規約違反だと知っていますか?」と質問したところ、10%の人が「知っている」、10%の人が「知らなかった」と回答しました。
全体の9割がクレジットカードの利用制限がカード会社の規約違反だと知らなかったことが明らかになりました。
利用制限のあるお店の印象は80%以上の方が「悪くなる」と回答
全国にお住まいの20歳~59歳の男女に「利用制限のあるお店の印象」について質問したところ、69%の人が「悪くなる」、15%の人が「今後使わない」と回答しました。
15%の人が「変わらない」と回答したものの、ネガティブな印象を持つ人は全体の84%と、高い数値になりました。
キャッシュレス化が進んでいますが、まだまだクレジットカードの利用制限のあるお店は多いです。
利用制限はカード会社に規約違反にあたるので、手数料の上乗せをされたら指摘するといいかもしれません。
クレジットカードの使えないお店や利用制限のあるお店はネガティブな印象を受けることから、キャッシュレス化は今後ますます進むと予想できます。
クレジットカード選びに迷っている方は、クレジットカードの比較サイトを使って自分に合うクレジットカードを探してみましょう。
飲食店がクレジットカードの利用制限をするのはなぜ?
クレジットカードで支払えばお釣りのミスもなくなるし、決済スピードが上がってお客さんを捌けるので、お店側もカード払いを推奨するのでは…?
と思いがちですが、実はお店側はクレジットカード決済をされると2つの負担がかかっています。
決済手数料がかかってしまう
クレジットカード払いの仕組みについて、詳しく見てみましょう。
お店(加盟店)はクレジットカード会社に決済手数料を支払うことによって、カード払いができる仕組みになっています。
加盟店側はカード決済手数料を支払わなければなりませんが、その分高単価の商品が売れたり、時間の短縮になるなどのメリットがあります。
クレジットカード会社は加盟店からもらう決済手数料と、カード利用者からもらうリボ払い手数料やカード年会費から利益を得ており、その利益をポイントとして利用者に還元しています。
クレジットカードの仕組み上、加盟店はカード決済手数料を支払う義務があるのが分かりますね。
しかし決済手数料を支払うとお店側の売り上げは減ってしまうため、利用制限をするお店が出てきているのです。
入金が遅れる
利用者からすれば、クレジットカードは手元に現金がなくても決済できる点が魅力ですよね。
カードで決済された金額は、一度カード会社を通して加盟店へと支払われるため、入金が後日になります。
しかしお店側は先に仕入れなどで先に現金を使っているため、入金にタイムラグが生じると経営が厳しくなる可能性もあります。
ある程度の蓄えがないお店や、個人経営のお店だと次の仕入れができず、最悪の場合お店がつぶれることもなりかねません。
そのため利用制限を設けて、できるだけ現金で支払ってもらおうというお店が出てくるのです。
利用制限がある飲食店は実は加盟店規約違反!
各カード会社の利用規約をみると、「現金支払いの客とカード払いの客で金額が異なってはいけない」「正当な理由がなく信用販売を拒否する行為をしてはいけない」「カード会員に対して差別行為を行ってはいけない」と定められています。
例えばJCBの加盟店規約を見てみましょう。
各カード会社の利用規約を調べると現金支払いの客とカード払いの客で金額が異なってはいけないとしています。
第11条 (加盟店の義務、差別的取扱いの禁止等)
2.加盟店は、有効なカードを提示した会員または有効なギフトカードの使用者に対し、信用販売またはギフトカードの取扱いを拒絶したり、直接現金払いや他社の発行するクレジットカードまたはギフトカードの利用を要求したり、現金客と異なる代金を請求したり、信用販売またはギフトカードの取扱いの金額に本規約に定める以外の制限を設ける等、会員またはギフトカードの使用者に不利となる差別的取扱いを行わないものとします。
ー引用:JCB加盟店規約
三井住友カード、楽天カードの加盟店規約にも同様に、「カード払いする客が不利になってはいけない」と規約に書かれています。
9.加盟店は、有効なカードを提示した会員に対して、商品の販売代金ならびにサービス提供代金について手数料等を上乗せする等現金客と異なる代金の請求をすること、およびカードの円滑な使用を妨げる何らの制限をも加えないものとします。
また正当な理由なくして信用販売を拒絶し、代金の全額または一部(税金、送料等を含む)に対して直接現金支払いを要求する等、会員に対して差別的取扱いは行わないものとします。
ー引用: 三井住友カード加盟店規約
つまり、今回アンケートで利用制限を見たことがあると答えた人の回答はすべて、カード会社の加盟店利用規約違反にあたります。
- 現金払いのお願い…正当な理由がなく信用販売を拒否している
- ランチは利用不可…正当な理由がなく信用販売を拒否している
- 少額払いは不可…正当な理由がなく信用販売を拒否している
- 手数料を上乗せ…現金支払いの客とカード払いの客で金額が異なっている
しかしあくまで利用制限は、法律的には違法でないため、法律で規制したり、訴えたりすることはできません。
ただ、あまりにも利用制限がひどい場合には、後日カード会社からの指導が入ります。
カード決済で手数料を支払わせるお店は規約違反!違法ではない支払いを求められたときの対処法
クレジットカード払いを拒否されたときの対処法は?
クレジットカードの利用制限をすることは、カード会社の利用規約違反にあたります。
そのためカードが使えるお店でカードを使うことは悪いことではありませんし、利用者にはありません。
クレジットカード払いに手数料を上乗せされた請求をされた場合は、一度支払ってしまうと返金がされないため、きっぱりと断るようにしましょう。
クレジットカードで不当な損害を被らないためにも、クレジットカードについての知識を身に付け、利用制限のあるお店に出会っても落ち着いて対処しましょう。
ただし、さきほども説明したようにお店(加盟店)も「カード決済手数料を支払わなければいけない」「入金のタイミングが遅れてしまう」などの事情を抱えています。
もし気に入ったお店の経営を応援したい、潰れて欲しくない…と思うなら、あえて現金払いをしてあげるのも一つの選択肢です。
今後キャッシュレス化はますます進んでいく
アンケートを見ると、利用制限のあるお店にネガティブなイメージを持つ方が80%以上を占めています。
「悪くなる」と答えた人の中にも、利用制限のある飲食店は、制限のないお店に比べて来店意欲は下がるのではないでしょうか。
今回の調査の結果からも、日本のキャッシュレス化は今後ますます進んでいきそうですね。