高速道路を頻繁に使う人にとって欠かせないのがETCカードです。
ETCカードにはいくつかの種類がありますが、その中の1つにETCパーソナルカードというカードがあります。
ETCパーソナルカードは、ETCカードの1つであり、申し込みに当たって特別な審査を必要としないETCカードです。
さまざまな理由からクレジットカードを持つことができず、それに伴い付帯サービスのETCカードを作成できない人でも所有することができます。
今回は、このETCパーソナルカードのメリットとデメリットについて解説します。
ETCカードを作成しようと考えている人などはぜひ参考にしてみてください。
※本ページにはPRが含まれます。
ETCパーソナルカードとは
ETCパーソナルカードとは、以下の高速道路6会社から発行されているETCカードです。
- NEXCO東日本
- NEXCO中日本
- NEXCO西日本
- 首都高速道路株式会社
- 阪神高速道路株式会社
- 本州四国連絡高速道路株式会社
ETCパーソナルカードは、「ETC」という名前の通り、ETCカードとしての機能は持っていますが、クレジットカード機能を持っていないという特徴を持ちます。
そのため、利用できるのは有料道路の通行料金の支払いに限定されます。
利用にあたっては、クレジットカードのような審査はありませんが、その代わりにデポジット金(保証金のようなもの)を預託することになります。
また、カードの利用にあたっては、年会費として1,234円が必要になります。
それでは、続いては、実際にETCパーソナルカードがどういったメリットを持っているのか具体的に紹介していきます。
ETCパーソナルカードのメリット
有料道路での支払いのみに用途が限られるETCパーソナルカードですが、その主なメリットは以下の通りです。
- 審査なしでETCカードを発行できる
- 盗難・紛失してもリスクは小さい
それぞれについて詳しく確認していきましょう。
審査なしでETCカードを発行できる
クレジットカードの付帯サービスとしてETCを入手する場合、ETCカードの作成にあたっては、まずクレジットカードを入手しなければいけません。
そのクレジットカードには、審査が必要になります。
もし審査に落ちてしまうとカードを発行してもらうことはできません。
一方のETCパーソナルカードの場合、発行に当たって特別な審査などはありません。
規定に沿って申し込みを行い、デポジットと呼ばれる保証金のようなものを支払えば誰でもカードを発行してもらうことができます。
クレジットカードだと、過去に債務整理をしている人や支払いの延滞を起こしている人など、信用情報に傷がついたいわゆるブラックリストに載っている人というのは、審査に通りにくくなっているため、ETCカードを入手するのも難しくなってしまいます。
しかし、ETCパーソナルカードであれば、基本的に誰でも所有することができます。
これは、ETCパーソナルカードにクレジットカード機能がついておらず、カードを発行する会社が利用者の支払い能力を細かく審査する必要がないためです。
盗難・紛失してもリスクは小さい
クレジットカード機能がついたETCだと、盗難にあった時多額の買い物に使用されてしまうリスクが伴います。
しかし、ETC―パーソナルカードは有料道路の支払いに使用できるのみなので、買い物などで悪用される心配がありません。
ただし、高速道路では使用できてしまうので、盗難や紛失の際は、速やかにETCパーソナルカード事務局に連絡を入れ、カードの利用を停止させるようにしましょう。
ETCパーソナルカード事務局の連絡先は以下の通りです。
ETCパーソナルカード事務局:TEL 044-870-7333
(土日、祝日、年末年始除く9時00分~17時00分)
もし、紛失した際に、他の人に利用されて損害を受けたとしても、全てカードの利用者が支払うことになるので注意が必要です。
ETCパーソナルカードのデメリット
メリットの一方で、残念ながらデメリットも存在します。
ここで紹介するデメリットは以下の通りです。
- デポジット金が取られる
- ネットから申し込みはできない
それぞれについて確認していきましょう。
デポジット金が取られる
先ほども触れていますが、ETCパーソナルカードを作成する際にはデポジット金の支払いが必要になります。
デポジット金は保証金のようなもので、ETCパーソナルカードのキモになるお金です。
というのも、先述の通り、ETCパーソナルカードにはクレジットカードのような審査がありません。
これは、カード発行会社による貸し倒れの恐れがないためです。
しかし、それで利用者が使い過ぎてしまい、支払いができなくなってしまうリスクはあります。
デポジットを支払うことで、利用者は一定の利用金額を超えるとカードの利用停止に追い込まれるなど、高額な料金が支払い不能になることを防ぐことができます。
デポジットの金額
デポジット金は、高速道路などの有料道路の平均利用月額に応じて、以下の4パターンに分かれます。
平均利用月額 | デポジット金 |
---|---|
5000円以下 | 20,000円 |
10,000円以下 | 40,000円 |
15,000円以下 | 60,000円 |
20,000円以下 | 80,000円 |
このように、デポジット金は平均利用月額の4倍に設定されています。
ちなみに、デポジット金は申し込みの最初の段階で必要になるため、支払いが確認されないとETCパーソナルカードを入手することはできません。
デポジットの支払いを面倒に思う人もいるかもしれませんが、ETCパーソナルカードには欠かせないものなので、しっかりと支払うようにしましょう。
インターネットからの申し込みに未対応
クレジットカード付帯のETCの場合、インターネットで申し込むことができ、申し込みから数日、早いものだと即日でカードを入手することができます。
しかし、ETCパーソナルカードの場合、インターネットでの申し込みには対応していません。
申し込みに必要な用紙は郵送、もしくは自分で取りに行き、書類の提出は全て郵送で行います。
簡単な流れは以下の通りです。
- 申込み用紙を用意する(高速道路のSAなどにあるコンシェルジュカウンターに取りに行くor ETCパーソナルカード事務局に郵送してもらう)
- 申し込み用紙に必要事項を記入する
- 郵送で事務局に申し込み用紙を提出
- 事務局でのチェック
- 問題なければデポジット金の振込票が郵送される
- デポジット金の振込
- 事務局が振込を確認して、カードを発行
- 手元に届いたらその日から使える
事務局とのやりとりが何度か発生することに加えて、書類のやりとりは全て郵送になるため、手元にカードが届くまでには約1ヶ月はかかるものと考えておいたほうがいいでしょう。
クレジットカードのETCのカードとどちらがお得?
ETCパーソナルカードは審査不要で入手できますが、クレジットカード付帯のETCカードと比べたとき、どちらの方がお得なのでしょうか。
いくつかの点から考えてみましょう。
発行まではクレジットカードのほうが簡単!
先ほども紹介しているように、ETCパーソナルカードは申し込みから手元に届くまでにかなり時間がかってしまいます。
一方のクレジットカード付帯のETCカードであれば、最短で即日での発行が可能です。
また、WEBから申し込みができるので手間はそれほどかかりません。
さらに、すでにクレジットカードを持っている人が、付帯のETCを申し込むのみであれば、審査は特に発生しないほか、クレジットカードによってはETCカードの年会費もかからないものもあります。
そのため、すでにクレジットカードを持っていて、そのカードがETCカードの発行に対応しているのであればそこから入手するのが一番だと言えます。
クレジットカードならお得にポイントも貯まる
クレジットカード付帯のETCカードのメリットはポイントを貯められる点にあります。
ETCの利用はもちろん、クレジットカードと一体になったものであれば、普段のショッピングでもポイントが貯まります。
ポイントは、マイルや他のポイントサービスへの移行ができたり、商品と交換できたり、キャッシュバックを受けられたりと、幅広い用途を持っているため、利用者にとっては非常にお得だと言えます。
クレジットカードには信用審査があるから要注意
ここまでの点から基本的にはクレジットカード付帯のETCカードの方がよりお得に利用できると言えます。
しかし、クレジットカード付帯のETCカードの場合、大前提として、クレジットカードの審査に通過することが必要となります。
当然ですが、審査には落ちる可能性もあるので、注意しなければいけません。
審査の際には仕事や収入、勤続年数、居住形態、家族構成など様々な項目がチェックされる他、その人の支払い状況やクレジットカードの申し込み状況などの信用情報の確認も行われます。
信用情報に傷がついている人はいわゆるブラックリストに載っている状態なので、審査に落ちる可能性はぐっと高まってしまうでしょう。
審査に落ちたとしても、別のカードに申し込むことはできますが、一度落ちているため他の会社でも落ちてしまう可能性は十分にあります。
まとめ
今回は、ETCパーソナルカードのメリット、デメリットについて紹介しました。
ETCパーソナルカードの最大のメリットは何と言っても審査不要で入手できる点にあります。
一方で、用途は有料道路の支払いに限られてしまう点はデメリットだと言えます。
もし、クレジットカード付帯のETCカードをを入手できるのであれば、そちらの方がお得に利用できるケースもあります。