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ETCカードを持っていると何ができる?
ETCカードがあると、高速道路の料金所をノンストップで通過できるため、時間を短縮することができます。また、ETC限定の割引きやマイレージ制度もあるため、一般車で高速道路を利用するよりもお得になります。現在、日本でのETC普及率は88%。多くの車がETCを搭載していることが分かります。
クレジットカードと連動したタイプの場合、カードで買い物をする時にもお得な割引やポイント制度を受けられることも。機能をよく知っておくことで、日常生活でお得な場面が増えます。
ETCカードの仕組みはどうなっているの?
ETCカードを搭載した自動車が料金所を通過する際に、自動で料金が計算される仕組みです。
事前に車種情報も登録されていますので、割引なども自動でしてくれます。引き落としはクレジットカードや銀行口座と連動しており、一度登録するだけでその後は支払い手続きをする必要がありません。クレジットカードを利用すると便利なので、クレジットカードと連動したETCカードが多く、人気を集めています。
カードが正しくセットされていなかったり、スピードが速いまま料金所を通過したりすると無線が反応せず、バーが開かない場合もあります。必要な物や手続き、ルール、注意すべきことを確認してから利用したいですね。
ETCカードが作られた目的
日本では2001年から導入されたETC。主な目的は5つあります。
①利用者が使いやすくするため
料金所でいちいち停止するのは面倒ですし、支払いにも時間がかかり、渋滞の原因にもなります。利用者がスムーズに高速道路を利用できるように導入されました。
②環境に優しくするため
環境に負担がかかるCO2ガスが排出されるのは、エンジンをかける瞬間です。料金所で何度も停止することにより、環境に負荷をかけることにも繋がります。実際の調査を見ても、CO2が削減されていることが分かります。ETC導入前は年間約53万t排出されていたCO2ガスですが、導入後は31万tに減少しました。
また、エンジンを消したりつけたりを繰り返すことで騒音も発生します。ETCは環境保全にも役立っているのですね。
③割引などの対応を簡単にするため
高速道路は時間帯や車種による料金の違いや企画による割引、乗り継ぎ料金の対応など複雑な料金体系をしています。利用者自身が把握するのも難しいですし、係員のミスを防ぐことも難しいです。そのため、自動化でミスを減らそうという目的でETCが導入されました。
④管理コストの削減
料金所を無人にすることで、人件費が削減されます。
⑤経済効果がある
ETCの利用で高速道路利用料金が割引されますので、利用者の増加が見込まれます。
また、ETCに関連する商品が販売されるようになり、メーカー側にとってもプラスの影響が出ました。
ETCカードを利用するメリット
ETCを利用することで、私たちにはどのようなメリットがあるのでしょうか。
大きく分けると「支払いの楽さ」「料金のお得さ」が挙げられます。
高速料金の支払いがスムーズになる
料金所をノンストップで通過でき、支払いは後日自動引き落とし。
一般道路を通るような感覚で高速道路を気軽に利用できます。
セキュリティを保った高度な無線で管理されていますので、料金の支払いミスも防ぐことができます。
ETCが導入される前の平成12年の調査によると、高速道路の渋滞の原因の約30%が料金所関連でした。
一方、ETC導入後の平成20年の調査では料金所関連の渋滞は0.8%に減少しました。
高速道路の渋滞が大幅に減少した理由は、ETCの導入だと分かります。
ETC割引が適用される
ETCは便利なだけではありません。時期や時間帯によって大幅な割引きがあります。代表的な割引を挙げると、下記の通りです。
- 平日朝夕割引
- 休日割引
- 深夜割引
- アクアライン割引
- ETC2.0割引
平日朝夕割引
最大50%の割引きが受けられます。時間帯は朝の6時〜9時、夜の17時〜20時。全ての高速道路が対象ではありませんが、どなたでも割引の対象になります。割引と言ってもその場で割り引かれるのではなく、キャッシュバックの形で割引きされます。
割引率は走行距離・月間走行回数によって変化します。割引対象となる高速道路を5回~9回走った場合には、最大100km分の約30%分のキャッシュバックが受けられます。10回を超えて走行した場合は、最大100km分の約50%分がキャッシュバックされます。
休日割引
30%の割引きが受けられます。期間は土日祝日+1月2日・3日。対象車は普通車と二輪車です。休日割引の対象となるのは一部の高速道路ですが、休日割引は対象にならない道路でも、他の割引が適用されることもあります。ご自分が走行する高速道路を調べましょう。
深夜割引
30%の割引きが受けられます。全ての車種が対象で、深夜0時〜4時に適用されます。例えば、夜の23時59分に料金所を通過すると通常料金が徴収されますが、0時1分に料金所を通過すると30%の割引きが受けられます。深夜割引に該当しそうな時間帯の走行の場合は、計画的に走行してお得に割引を活用しましょう。
アクアライン割引
アクアラインは、なんと割引率が74%と非常に高いです。軽自動車から大型車まで全ての車種で74%割引になります。他の割引と併用できないこと、区間が木更津〜浮島と短いこと等の条件はありますが、ETCを持っていないと不快になるほどの割引率です。この区間を頻繁に利用する方は、ETCの初期費用を差し引いても登録した方がお得になりますね。
ETC2.0割引
カーナビと連動し、広域の渋滞情報や事故情報を伝えてくれるのがETC2.0です。従来の車載器では利用できないため、このシステムを利用するには新たに車載器を購入する必要があります。
割引率や割引適用道路はまだ少なく、お得感は少ないのが現状。今後システムが改善され、渋滞を回避するルートを選択した場合に割引してくれるようなサービスが登場する予定です。新しい割引のタイプですね。
割引の併用はできる?
基本的に併用できないことが多いです。しかし、最も割引率が高い割引が適用される仕組みになっています。そのため、休日割引とアクアライン割引は併用できませんが、必ず割引率の高いアクアライン割引が適用されることになります。損することはありませんので、安心してくださいね。
ETCマイレージが貯まる
ETCを利用すると、マイレージ(ポイント)が貯まります。マイレージが貯まると高速道路を実質無料で走行することもできるため、非常にお得なサービスです。しかし、ETCカードを入手しただけではマイレージは貯まりません。ご自分で登録をして初めてマイレージを貯めることができます。登録は無料なので、ぜひ登録しましょう。
マイレージの登録方法
インターネットまたはサービスエリアにある申込書から登録できます。インターネットで申し込む場合はその日からマイレージが貯まるので、できるだけインターネットから申し込むようにしましょう。
マイレージの還元率は?
高速道路によって還元率が異なります。例えば、NEXCO東日本の場合は10円支払うと1ポイント貯まります。貯まったポイントは3000ポイントで2500円分になります。多く貯めれば貯めるほど還元率が上がります。
ETCカードを利用するデメリット
ETCカードはお得なことばかりですが、デメリットもあります。
車載器の設置にお金がかかる
通行料はお得になりますが、初期費用がかかります。ETCカードを利用するには、ETCカードの作成、車載器の購入と設置、セットアップ手続きが必要です。
ETCカードはクレジットカードと連動する場合にはほとんどお金がかかりませんが、クレジットカードなしのETCカードはデポジットや出資金など初期費用が高い特徴があります。
「高速道路を安く通行するために、最初は結構お金がかかる」という矛盾があります。
支払いミスが起こると事故に繋がる可能性
ETC専用レーンは料金所で停止する必要がありません。そのため、ノンストップで走行します。前の車が何らかのハプニングで停止した場合、追突する可能性があるのです。例えば、カードが挿さっていなかった、カードの使用期限が過ぎていた、車載器が壊れていた、進入速度が早過ぎて無線が反応しなかった等のハプニングがあります。前の車が突然停止する可能性も考慮して、徐行を心がけて運転しましょう。
ETCカードは大きく分けて3種類
個人で作成可能なクレジットカードは3種類あります。
クレジットカード付帯型ETCカード
日本で最も多いタイプで、付帯型・分離型・独立型と呼ばれることもあります。クレジットカードと連動していますが、カード自体はクレジットカードとETCカードの2枚が届きます。カードにこだわりのない方は、このタイプを選ぶことをおすすめします。
付帯型ETCカードのメリット
盗まれた時の被害が少ない
「ETCカードを挿入したまま車を放置したら盗まれた」ということが起こります。付帯型ETCの場合、ETCカードにはETC機能しか付いていません。盗まれたとしても、そのカードは高速道路でしか利用できないので被害は大きくなりません。
一方、後述する一体型ETCの場合は盗難に遭った時の被害が大きいです。クレジットカードとETCカードが一体になっているため、カードを盗まれた=クレジットカードを盗まれた、という事態に陥ります。高速道路以外の買い物など不正利用される可能性がありますので、気をつけましょう。
挿入忘れの心配が無い
挿入したままでも不便なことが無いので、安心です。
一方、高速道路を利用する度に抜き挿しする必要のある一体型の場合は、ETCのレーンを通過する時に「やばい、財布に入れっぱなしだ。挿してなかった…!」という事態に陥るかもしれません。ETCレーンはノンストップで後続車がやって来ます。急停止すると、追突事故に巻き込まれる可能性があります。
付帯型(分離型・独立型)ETCカードのデメリット
カードの枚数が増える
ETCカードとクレジットカードが別々です。お財布の中身を減らしたい方にとってはわずらわしいかもしれません。
クレジットカード一体型
クレジットカードとETCカードがくっついたタイプです。あまり一般的ではなく、付帯型に比べて取り扱っている会社も少ないです。最初から一枚に集約されているため、登録手続きが単純です。
一体型ETCカードのメリット
持ち運びに便利
一枚で2つの役割をするため、持ち歩くのに便利です。普段使わないETCカードを家に忘れてしまった…という事態も防げます。
支出の管理が楽
クレジットカードの引き落としと合算されますので、管理が楽です。これは付帯型にも共通するメリットですね。
一体型ETCカードのデメリット
取扱っているカード会社が少ない
日本のクレジットカード機能付きETCカードはほとんどが付帯型なので、一体型ETCカードを取り扱っている会社は多くありません。イオンETCカード、エネオスカード、JCBドライバーズプラス一般カード等では一体型カードを取り扱っています。
車載器に挿しっぱなしにする可能性がある
高速道路を利用する度にカードを車載器に挿入するため、そのまま抜き忘れることも考えられます。クレジットカードを車に置きっぱなしなんて、想像するだけでも怖いですよね。盗難の恐れや温度変化によるカードの劣化、お店でクレジットカードを使いたい時に手元に無いという事態も考えられます。
カードを複数持たずに済むのは便利ですが、取扱いが少なかったり車載器への抜き挿しが面倒だったりするため、基本的には付帯型ETCカードがおすすめです。
パーソナルカード
クレジット機能なしのETCカードです。クレジットカードを持っていない方や審査に通らない方でも、パーソナルカードは持つことができます。クレジットカード連動のETCカードと比較するとお得感は減りますが、手軽に作れる点が魅力的です。
クレジットなしのETCカードを作るのはどんな人?
クレジットなしのETCカードを作るのは、クレジットカードを持ちたくない人・審査に通らない人です。
クレジットカードは信用に基づいて発行されるカードなので、「信用できるか?」を審査した上で発行されます。自営業や個人事業主、学生、主婦/主夫の方は収入が不安定と認識され、クレジットカードの審査に通りづらい傾向があります。
また、過去にクレジットカードの支払いを滞納したり、ローンの返済が滞っていたりして「個人信用情報」に問題がある場合、クレジットカードを作ることは難しいです。
ETCパーソナルカードのメリット
クレジット機能なしでもETCカードを作成し、割引等を受けられるのが嬉しい点です。
ETCパーソナルカードのデメリット
申し込みの際にデポジット(保証金)が高いのが懸念点です。ETCパーソナルカードを作成する場合、最低デポジット額は2万円。車載器やセットアップ手続き料と合わせると、なかなか高額になってしまいます。
法人限定ですが、クレジット機能なしのカードは他にも以下のようなカードがあります。
- 高速情報協同組合のETCカード
- 法人ETCカード
- ETC協同組合のETCカード
ETCカードを利用できる条件とは?
ETCカードをお得に使うには、ETCカードと車載器、セットアップ手続きが必要になります。カードだけを持っていてもETCの機能は使えません。
ETCカードは年会費・入会費は必要?
- クレジットカード機能あり:クレジットカードの年会費はかかる。無料の場合もある。
- クレジット機能なし:入会費・年会費が必要。加えて「デポジット」や「出資金」で高額なお金が必要な場合も。
初期費用の面から見ても、クレジット機能ありのETCカードの方がお得ですね。
ETCカードを利用するには車載器の設置が必要
車載器なしではETCカードが利用できません。もしも「車載器はないけど、ETCカードがあるから大丈夫だろう」と勘違いしてETCレーンを通過しようとすると、割引が適用されないどころか、バーが開かず追突事故を起こす可能性があります。必要な準備をしてから高速道路を利用しましょう。